リーダーシップ

【リーダーシップ論まとめ】ビジネス書で必ず出てくる有名理論解説

リーダーシップ論は、1900年より前から始まり、100年以上研究されてきた経営学における重要テーマの1つで、セミナーや自己啓発本でも人気のテーマです。

ビジネスだけでなく、スポーツや学校教育などでも重要視され、アメリカでは小学校教育から大学教育までしっかりと体系化されていて、自由な働き方が日本でも望まれつつあり、個人とリーダーシップは切っても切り離せない関係なので、是非抑えておきたい知識です。

当記事では、ビジネスマンとして常識レベルの有名理論から、最近流行の新理論まで、リーダーシップを学んだ事がない人でも簡単に理解できるように噛み砕いて説明しています。

最後までご覧になっていただければ、有名な理論や研究の流れを抑える事が出来ると思います。

リーダーシップ論とは?

ではまずリーダーシップ論とは、何を知るための学問なのか?ということからお伝えします。

経営学におけるリーダーシップ論の位置づけ

経営学・ビジネスでは【人・モノ・金・情報】の4つの資源を効率よく運用し、価値へと変え、「どれほど多くのお金を稼げるか?」を追及する学問です。

リーダーシップは、上記の内のヒトの部分、人的資源管理(HRM:Human-Resouce-Management)のテーマの1つであり、厳密的に言うのであれば、経営心理学における組織行動論・行動心理学に位置します。

リーダーシップ論のテーマはざっくり言うと以下の3つに分けられます。

  1. その人の潜在適正を引き出し、120%の成果を出させる。
  2. その人の能力を高め、パフォーマンスを高める。
  3. 人間の行動変化を起こすための人間心理のメカニズムを知る。

リーダーシップ論の種類

3つのテーマの違いは以下になります。

組織行動論におけるリーダーシップ

人は常に本来の実力の100%を発揮できるわけではありません。上司と合わない、人間関係がよくない、仕事が面白くない。ほとんどの人が、本来の能力の数割しか仕事で発揮していません。

上司が変わった、職場が変わった、仕事内容が変わった、立場が変わった。

その人自体の考え方や知識や能力が変わっていないのに、パフォーマンスが大きく変わる。人材を活かすか、腐らせるかは、組織のあり方で決まる。

人材を活かすリーダーにはどのような考え方や能力か?という事を知るためのテーマです。

リーダーの役割に関しては以下の記事で解説しています。

自己のキャリアを磨くためのリーダーシップ開発論

リーダーシップは自分の人生のキャリアそのものであり、リーダーでなくても、自分の成果を高めるために学ぶべきスキルです。

自分の性格や適正を知り、自分の長所は具体的にどのような能力・考え方に分類できるか、そしてそれはどのようなトレーニングを積むことで洗練させる事が出来るか?を知る事が大事です。

人によって、得意なこと・苦手なこと、できないこと・できること、やりたいこと・やりたくないこと、向いている事・向いていない事があって当然で、日々どのような意識をしながら生きる事が重要なのかという人生の教科書になります。

自分の成果を高める上で、なぜリーダーシップが必要になるのかは、個人成果とチームワークという切り口で以下の記事で解説しています。

リーダーシップ論を学ぶことのメリット

またリーダーシップ論を学ぶメリットは、人間心理の変化メカニズムを学べることです。

行動心理学では「人の行動はその背後に必ず何らかの心理変化がある」という前提に立っていて、簡単にいえば、「相手の考えや価値観をどのようにすれば変えられるか」を体系化します。

なので、大学教授やしっかりとしたコンサルタントが監修する専門書を読んだり、セミナー、研修を受ければ、自然と相手の感情や思考を推測する人間観察や思考の読み取りができるようになります。

相手の表情が変化した。今こう考えているな。ならこう仕掛ければ相手はこう反応するだろうな。

と相手の反応を見ながら、適切な対処を冷静に考えながら動けるようになります。

今までリーダーシップに関するビジネス本を読んだり、セミナーを受けたけれどたいしたこと書いていなかった!と思う方がいるかもしれませんが、それは多分読んだ本や講師が悪いと思います。

本来は人間心理を扱う分野なので、そこまで踏み込んで学ぶ事が大事です。

リーダーシップ論の歴史[抑えておきたい有名古典理論]

ではざっくりとこれまでのリーダーシップ論の流れを解説します。抑えておきたい古典と呼ばれる有名理論を紹介します。

リーダーシップ特性・資質理論

SPIの適正検査とか、病院の精神的な鑑定とかでは、基本的にアンケートを答えますよね。あれは、個人のパーソナリティ(性格や判断傾向)を調べるために使われています。初期のリーダーシップ研究では、そうした先天的な要素(才能や適正と呼ばれるもの)に注目したため、カリスマ型リーダーシップと呼ばれています。

「優れた成績を残した政治家・将軍・監督にはある共通点があるはずだ。」

という個人のパーソナリティに注目したため、特性・資質理論というわけです。

ただそれがわかったところで、優れた人材を採用できなかったら終わりなの?という話ではなく、今では、人によって向き・不向きがあって、人材配置やチーム構成を考えるなど、チームビルディング・タレントマネジメント関連に活用されているので、勉強するのは無価値ではない理論です。

リーダーシップ行動論

リーダーシップ論で一番有名なのが行動理論です。

「行動なら真似られるし、研究の意義もあるんじゃないか?」ということで、優れた業績を残している経営者やマネージャーの行動を観察するという手法で研究が進められました。

行動論で抑えておきたいのは以下の3つのポイントです。

リーダーシップ行動論の原点であるPM理論

人の動かし方は「指示や指導という外的刺激によって動かす」「モチベーションをアップさせる内的刺激によって動かす」かの2種類しか存在しません。

【主体と客体】・【能動と受身】・【自分から動く・言われてから動く】といったように、究極的には2択です。

その2つの要素を具体的な行動にまとめたものがPM理論です。

「指示を出して自分がチームをリードして成果を残すパフォーマンス(P)型リーダー」と「モチベーションを引き出して、周りのメンバーの成績を引き上げるメンテナンス(M)型リーダー」の行動が記載されているので、非常に真似しやすく、ビジネスウケする理論です。

少し専門的な話になるかもですが、行動理論の理解を深める上で、一番早いのは具体的な項目が書かれている本です。理屈をダラダラ並べられるより、「○○ができている・できていない」、「○○をしている・していない」のチェックリストを見たほうがずっと早く理解が進みます。以下の本は、リーダーシップ以外にも様々な項目がのっているので、コンサルサービスや人事考課の基準ってこのように作られているのか、といった興味をもっていただけるのではないでしょうか?

状況応変・状況適合(コンティンジェンシー)理論

PM理論の登場で、息を吹き返したリーダーシップ論ですが、様々な事例で試したところ、P型がよかったり、M型がよかったり、どちらも必要だったり、結果が安定しませんでした。

そこで考えられたのが「どんな状況にも当てはまる行動なんてなくて、課題によって最適な行動は変わるんじゃないの?」という環境適合:コンティンジェンシー理論です。

何を当たり前の事を・・・と思うかもしれませんが、学問なんてものは常識の証明の積み重ねなので、そんなもんだと思ってください。

営業職であれば、顧客の課題やふさわしいサービスは変わり、営業手順や内容をマニュアル化は非常に難しいです。具体的な指示よりも営業マンのサポート力が高い上司が求められます。マニュアル化が難しいアン・ルーティンな仕事では、サポート型のリーダーシップが向いています。

一方、製造や飲食店のスタッフなど、仕事内容が変化せず、作業スピードや正確さが求められる場合は、人員や状況に合わせて指示や指導をする能力が求められます。

「経営課題や組織の状態によって、必要な能力や人材は変わる」という考え方は、リーダーシップ行動論に大きな衝撃を与えました。

様々な課題に対応するリーダーシップ行動論まとめ

そこから様々な種類の行動論が提案されました。

  • 人材指導が得意なヒトが身に付けている考え方や能力はこれだ。
  • チームをまとめ、新しい方針や目標を共有するビジョン型リーダーに必要な能力はこれだ。
  • サーバントだ。フォロワー型だ。

様々な課題に対応するリーダーシップ行動論をまとめた記事が以下になりますので、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

これからのリーダーシップ論はどんな方向に進んでいくのか

これまでの研究では、リーダーがチームの業績を左右すると考えられてきました。そして、課題に応じて求められる役割・必要な能力が定義されてきました。

しかし、能力の細分化がされすぎて、1人のリーダーではそんな沢山の能力を身に付けることなんてできないし、体がいくつあっても足りないということになりました。

そういった背景から現代では参加型リーダーシップというのが主流になってきています。

これまでのリーダーシップ論とこれから式のリーダーシップ論

これまでのリーダーシップ論は、リーダーが能力を身に付ければ良いという考えでした。

しかし飲食店のように社員が物理的に離れる「リーダーがいない状況ではどうするんだ。」とか「リーダーに適正がない能力はいくら頑張っても身に付けるのは難しいのではないか」とか、様々な課題がありました。

そこで基本に立ち返りました。

「別にリーダーだからといってその役割ができなくてもいいし、チームメンバーの誰かがやってくれればリーダーは仕事をしているといえるんじゃないの?」

リーダーの役割とは、チームを機能させることであって、自分ができなくともいいのです。

つまり、リーダーとはメンバーの潜在能力を開花させ、育てることにあり、リーダーは、リーダーシップを発揮する立場ではなく、メンバーにリーダーシップを発揮させる立場ではないのか?という発想の逆転です。

リーダーシップ論は個を強調するのではなくチームワークを高めるもの

指示が得意な人、アドバイスが上手い人、人のサポートをするのが好きな人。

もし全員が得意分野を発揮し合い、苦手分野を補う事が出来れば、パフォーマンスは最適化されます。もし全員が、同じ性格で、同じ能力で、同じ知識量だとしたら、チーム内で役割はかぶり、ポジションのとりあいになります。

性格や知識、能力、適正が違うから尊重し合い、助け合えることができるのであり、そういった意味で考えるとリーダーシップ論は誰もが学ぶべきで、個性を磨くからチームワークが成り立つといえます。

I am Leader から We are leader へ

今ではチーム全体を1つの生き物として捉え、全体としてチームをどうマネジメントするかに焦点を当てられてきています。

リーダーはチームをリードするが、リーダーがチームを上手くリードできるかはメンバーの協力や能力に依存する、という非常に当たり前の原点に立ち返りました。

簡単にいうと、リーダー教育だけでは駄目で、それと同時にメンバー全員が自分の個性を発揮するというリーダーシップ的な考えを学ばなければ駄目だし、お互いが尊敬し、感謝し合える関係になるから初めて上手くいくということです。

人事施策という面からいうのであれば、「こういった上司を増やすから、社員側も協力してくれよ」という感じで新人研修と管理職研修はセットで設計しなければいけないし、フリーで働いているヒトであれば、こういった関係性を作れなければビジネスパートナーとは言えないといった感じです。

会社にとっても、社員にとってもWIN-WINの関係を作る。

それがこれからのリーダーシップです。

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