職場で好かれるという力はれっきとした”仕事能力の1つ”です。
成果を出すには、自分が最効率で動くには、周囲の協力やサポートを引き出す事が重要であるからです。
「最低限のコミュニケーションさえしていればいい。」、「仕事能力だけで評価して欲しい」という意見もいう人もいます。
しかし、それは間違いです。あなたが社長ではない限り、あなたの言うとおりに動く必要性がないからです。
- あなたから頼まれたことは、迷惑にならない範囲で”後で”やる。
- あなたから指示や指導されれば”言われたこと”はやる。
- 自分も仕事があるので、あなたが困っていても”自分の作業を優先”する。
「必要最低限のコミュニケーションさえしていればいい」や「人間関係を作るのが得意な人をごますり」とか言う人は、”自分が最大のパフォーマンスを発揮するための人間関係作り”を疎かにしている人であるといえます。
この記事では以下のことについてお伝えします。
この記事でお伝えすること
- 職場で好かれる人の15の特徴
- 職場で好かれる人になる方法
- 人間関係の作り方
最後までご覧になっていただければ、職場に好かれる人になるための方法とトレーニング方法がわかるようになっています。
1.職場で好かれる人とはどのような人か?
ではまず職場で好かれる人とは「どのような人か?」ですが、人から好かれる・気にいられる人は2パターン存在します。
- 能力が高くて頼りになる”父性のある人”
- 自分の性格に合う・人間的に好きな”母性のある人”
上記2つの具体的な人物像をご紹介します。
職場で好かれる人物像①:男性に多い例
自分の味方になってくれる人、自分を助けてくれる人に対して、誰もが好印象を持ちます。
- ミスをしたり、トラブルが起きたとき、すぐに駆けつけてくれる人
- 指示や指導がわかりやすく、的確で働きやすいなと感じる人
- ミスをしても、かばってくれたり、フォローしてくれる安心感を感じる人
自分をかばってくれる、助けてくれる、支援してくれる、導いてくれる人に対して、人は父性を感じます。比較的男性に多い傾向があるだけで、もちろん女性にもそういった人はいます。
「かっこいい女性」とは、姉貴として自分をリードしてくれる人物像であるといえます。
職場で好かれる人物像②:女性に多い例
人は正しさだけでは生きていけません。理屈では正しくても、頭がそれを受け入れられないと言うことは誰にだってあることです。
- 自分が間違いだとわかるけど、自分の言い分も聞いて欲しい。
- 成果がでないことはわかる。でも私の努力も理解して欲しい。
- 無駄な会話と切り捨てず、会話をして欲しい。
自分の意見や行動が間違っていた時、成果が伴わない時、「素直に自分の非を認めて謝る・相手の意見に従う」というのは大人になればなるほど難しくなります。
まず相手の話を聞いてあげる、相手の味方になる、相手の全てを受け入れるという”母性”は人間的な魅力の1つです。母性は女性に多い能力ですが、モテる男性や、相手の感情変化に敏感な人間観察力・感応力に優れた男性ももちろんいます。
職場で好かれる人と嫌われる人の違い
上記の2種類のパターンにおいて、好かれる人と嫌われる人の違いについてみていきます。
職場で嫌われる人①:男性に多い例
男性に多いのが正論や論理的矛盾を振りかざす人です。
正論を言う、指示・指導をする、相手に文句を言うのであれば「相手にとってプラスになるもの」でないといけません。
もしあなたの仕事能力が優れている場合、あなたの言うことの全ては正しいです。でもそれは、あなたの知識やスキルがあるから出来る、これまでに経験を積んだから生まれる発想であるはずです。それを同じように「もっと考えて仕事して」や「こういう風に動いて」と求めてはいけません。
相手が出来ない事を求める、相手をただ非難するだけの人は、周囲のモチベーションを下げる”ただの厄介者”です。
職場で嫌われる人②:女性に多い例
コミュニケーションと言うのは相手がいて成り立つものです。
相手との関係性ができていないのに、ずけずけとパーソナルスペースに入り込んだり、なれなれしく話しかけたり、作業途中に声をかけたりする人は、相手の事を全く考えられない人といえます。そうした人に限って、「話しかけたほうがいいと思って」や「気を遣わさないようにしようと思って」と自分の想いを押し付けます。相手からしたら迷惑以外の何者でもありません。
コミュニケーションとは相手の配慮や気遣いの下にするものです。
相手への思いやりがなければ「空気の読めない人」・「気遣いができないおしゃべりな人」と嫌われてしまいます。
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コミュニケーション能力とは、伝える力・聞く力など、小手先のテクニックではなく、人との付き合い方のスタンスそのものです。相手との自分との関係性、それに合わせた配慮、相手の反応を見てふさわしい自分の態度や言動、言葉遣いの選択など、どれだけあいてにあわせられるかが大事です。以下の記事では、コミュニケーション力の高め方を解説しています。
2.職場で好かれる人の15の特徴
人の評価というのは立場によって変わります。
- 上司に好かれる人の特徴
- 先輩に好かれる人の特徴
- 同僚に好かれる人の特徴
- 後輩に好かれる人の特徴
- 顧客に好かれる人の特徴
「こいつはいい奴だ、悪い奴だ。」という判断をするポイントは「相手に何を求めるか」で変わります。
それぞれ詳しく解説します。
上司に好かれる人の3つの特徴
上司とはあくまで仕事上の上司・部下関係なので、表面上だけ取り繕う、その場しのぎの対応では「いつも返事だけは一人前だね」とか「わかっていないなら、わかった。というのをやめようか」など、いつか信頼を失います。
上司が求めるのは「自分の考えを理解しようとしてくれる」仲間です。
- 上司がイメージするスピード感・スケジュールで動こうとする。
- 上司の意図や目的を理解しようと努力する。
- 上司と同じ目線で物事を考えられるようになろうとする。
能力や知識が優れていないくても、今、成果を出せていなくても構いません。上司が指示・指導することを理解し、それが出来るように我武者羅に努力する。そういった姿勢が信頼感を生みます。
能力があっても、自分の判断で動く人は、上司と良い関係を築けていないことが多いです。それは上司にとって、どんな行動をするかわからない、管理することができない恐怖でしかないからです。
先輩に好かれる人の3つの特徴
先輩は自分よりも経験も知識もスキルが高い存在ですが、あくまで「自分よりは経験値が高い程度」に過ぎません。
アルバイトなら尚更で、人材教育の訓練を受けているわけではないし、自分が質問したり、フォローしてもらうと言うことは、先輩の作業時間を奪うと言うことです。誰もが自分の作業をこなさなくてはいけなくて、「先輩だから後輩の面倒を見るべき」という厚かましい態度は嫌われる一番の要因になります。
先輩が求めるのは「遠慮や気配りの出来る後輩」です。
- 今忙しいですか?ちょっと聞いてもいいですか?
- 僕はこうしているんですけど、先輩はどうしていますか?
- ありがとうございます。参考にしてみます。
先輩にもわからないことはあるし、先輩に許可をとるというのは「トラブルが起きた時、先輩に許可を貰ったので。」と言うように先輩社員の責任になります。先輩は上司でも、責任者でもないので、自分の失敗ではないので怒られる、トラブルを持ち込むような後輩や部下の面倒を見ようという人はほんの一握りです。
作業の邪魔をしない範囲で、教えてもらい、最終的に自分の判断で仕事をする。失敗すれば、自分が責任を持って謝る。
あくまで役職上は先輩もあなたも同じ立ち位置です。給料もほぼ変わりません。なのでまず相手に迷惑をかけない。教えてもらう、助けてもらうなら感謝と配慮をもって接する事を意識しましょう。
同僚に好かれる人の3つの特徴
次に同僚ですが、同時期に入社した仲間というのは「仲間であり、ライバル」です。
給料も、働いた時間も一緒で上下関係もありません。だから同僚同士で比較してしまいます。
- 「あの人は、全然動かないのに怒られない。頑張ってる自分は損している。」という”非難感情”
- 「あの人は、先輩に気に入られている。ずるい。」という”嫉妬感情”
- 「あの人は、仕事ができるけど、上から目線で、人間的に嫌い。」という”生理感情”
立場が一緒であるからこそ、妬みや嫉妬、人間的な部分で嫌われたりすることが多いのが同僚との関係です。
そこで上手く立ち回る術を身に付ける事が大切です。
- いつも動いてもらってありがとう。○○さんほど、できなくてごめんね。
- あの先輩はいつもあれしろ、これしろ、と言ってくるから大変だよ。
- 不満や愚痴が言える同期の○○さんがいてくれてよかった。これからも助け合おう。
自分が上手くいっているときは「僕はあなたを頼りにしている。」とあなたとは対等な関係であることをアピールし、自分が出来ない時は、「○○さん迷惑かけてごめんね。」と相手がどれほど頑張っているかということに感謝を示す。
同じ立場であるからこそ、「相手が自分の事をどう捉えてしまうか?」と言うことに気をつける事が大切です。
後輩に好かれる人の3つの特徴
後輩が先輩社員に求めるのは「きっかけ」です。
自分から質問する、相談するということは気を使う人、人見知りの人には凄くハードルが高いです。
- 「こんなこともわからないのか」と言われるかもしれない。
- 「自分で少しは調べようとしたら?」と言われるかもしれない。
- 作業をしているので、嫌そうな顔をされるかもしれない。
報連相というのは人間関係が重要で「この人は質問しやすい、相談しやすい」という関係性が出来上がっているかどうかで決まります。
- この先輩は自分の事を思って怒るので、受け入れられる。
- いつも話しかけてくれるので、自分から話しかけやすい。
- いつも心配してくれるので、質問や相談を自分から積極的にする。
もちろん、むやみやたらに話しかけるのではなく、「相手が助けて欲しい」・「こう接して欲しい」という見極めが重要で、相手が嫌がるコミュニケーションをすると「セクハラ」や「たたら絡んでくるウザい人」になるので、人間観察力を磨く事が大切です。
>>人間関係力を磨くための方法はコチラの記事で詳しく解説しています。
顧客に好かれる人の3つの特徴
業種・業務によっては顧客・お客様との関係性も非常に重要な要素となってきます。
お客様との関係性で重要なのは、能力、知識、経験でもなく、誠意・真面目さが何よりも重要です。
- 自分でわからないことが出てくれば、「聞いてきます」とその場しのぎの対応をしない。
- お客様が求めることを理解するために、質問・確認を徹底する。
- ミスをすれば経緯を説明する前に、素直に謝り、お客様の感情を理解しようとする。
顧客が求めるのは、スマートな対応ではなく、丁寧な対応です。
- この子はいい加減な受け答えをしないから信頼できる。
- 面倒くさいと感じることもあるけど、真面目にやっている姿は好印象だ。
- この子は、トラブルが起きたとき、ミスから目を背けず向き合ってくれる。
人は「自分の話を聞いてもらう」事を何よりも重視します。
わからないことがあれば聞きに戻る、自分に対して一生懸命仕事をしてくれる、何かあれば自分の話を聞こうとしてくれる。
それは業務能力や知識よりも何よりも大切なことです。
3.職場で好かれるには
人に好かれるということに関して、仲間に対しても、顧客に対しても、やることは同じです。
それは「許可を得る」・「YESを積み上げる」ということです。
- 「この理解であっていますか?」という上司に対する許可
→ 上司は、「自分の指示・指導をきちんと理解した。」と言う安心感を得る。 - 「今、ちょっといいですか?」という先輩に対する許可
→ 先輩は、「自分に対して気を使っているな。」という可愛らしさを感じる。 - 「いつもありがとうね。これからもよろしく。」という同僚に対する許可
→ 同僚は、「自分の行動をよくみているな。」という周囲への気配りを感じる。 - 「○○で困っていない?大丈夫?」という後輩に対する許可
→ 後輩は、「自分の事を心の底から心配してくれている。」という感謝を感じる。 - 「お客様、○○でよろしいですか?」という顧客に対する許可
→ 「マニュアルではなく、自分に対して向き合ってくれている。」という熱意を感じる。
内心では「こういうことを思っているんだろ」と思っていたとしても、確認する、許可をとる、という事が大切で、面倒と思われるかもしれませんが、「職場で好かれる」・「職場で良い人間関係を作る」上でこういった意識を持つ事が大切です。
職場で好かれる方法:人間関係の5つの段階
人間関係には段階というものが存在します。
新しい人間関係の作り方
それぞれの段階に合わせた接し方が重要で、人間関係には5つのステージが存在します。
STEP1:見知らぬ人 ”どんな人かわからない人”
初めて合う人に対しては、相手の性格に関係なく、丁寧に接する事が大切です。それが部下や後輩など自分のより立場が下のものであってもです。
中には緊張しないように「あえて言葉を崩している」という方もおられるかもしれません。しかし、相手はあなたの性格や普段の態度を知りません。何も知らない状態でいきなり上から目線の対応や失礼な態度をとられると誰もが悪印象を持ちます。
「人の第一印象の7割は最初の数秒で決まる。」と言われているくらいなので、誰に対しても初対面の人には礼儀正しく、笑顔で接する事が大切です。
STEP2:顔見知り” これから関わりを持たなければいけない人”
何度も顔を合わせる、同じ空間にいる人は「自分はこの人と関わりを持っていかないといけない」と言うように無意識にスイッチが入ります。顔を合わせる回数、話す回数が増えるほど、距離が近くなるのはそのためで「単純接触効果」と呼ばれます。
「挨拶を大切にしろ。」と言われるのもそのためで、会話を交わさない間からでも、毎日、笑顔で挨拶をしていれば「この人いい人そうだな」と少しずつ好感度を高めていけます。この時点であなたは、「他人」ではなく、「顔見知り」の関係性にステップアップします。
この段階では「ありがとう」・「おはよう」・「お疲れ様」などの挨拶や、仕事で最低限のやり取りを済ませるだけで、あまり踏み込んだ会話をしないようにしましょう。
STEP3:知人 ”コミュニケーションを取るべき人”
この段階に来て、自分から積極的に話しかけ始めます。この段階になってくると相手も「ある程度はコミュニケーションを取るべき人」・「コミュニケーションを取ってこられても不思議ではない人」と言うように受け入れる準備が出来ているからです。
もちろん、仕事上、上記の2STEPでも会話をすることは発生しますが、必要最低限に済ませ、雑談や長時間の会話をし始めるのはこの段階になってからです。本格的なコミュニケーションをとるためには、まず相手の警戒心・抵抗感をなくす事が重要であるからです。
モテル人・凄腕営業マンはこの「警戒心をなくす」ということに長けているのであって数十分で仲良くなったり出来ますが、コミュニケーションに自信がない方、異性の社員に対しては、日にちをじっくりかけていくことをおすすめします。
STEP4:支援者 ”自分にとってプラスをもたらしてくれる人”
普通のコミュニケーションをとれるようになってからが本番です。
この場合のプラスとは、何も仕事上の損得だけではありません。
- この人と話していても疲れない。
- 同じ話題で盛り上がれる。
- 相談できる。質問できる。
- 同じ価値観をしている。
- 自分の考えを理解してくれる。
心理的に楽、共通の趣味があるなど、会話自体が楽しい、という感情的なプラスも含みます。
大事なのは、「自分がこの人と話したい」ではなく、「相手が自分と話したい」と思うように、「仕事で相談されれば親身になる」、「休憩時間の雑談では相手の話を聞く。」、「落ち込んでいれば励ます。」といった自分との会話することによるメリットを感じさせることです。
会話するたびに「また話したい」という次回へとつなげる会話を意識することで、関係性をより深めていく事がで来ます。
STEP5:理解者 ”自分を応援してくれ、助けてくれる人”
究極の人間関係とは”愛”です。
少しメンタルチックな話に感じてしまうかもしれませんが、”愛”とは見返りを求めず相手に奉仕することです。
- 自分の作業を止めてでも、相手を助けに行く。
- 上司や顧客に怒られれば、一緒に謝りに行く。
- 相手が解決するまで、ずっとサポートし続ける。
「自分は愛されている」と思うからこそ、「自分も受けた愛を返そう」となります。
例えば、苦しくても社員の給料や待遇を上げる。それに感動した社員が頑張り売上が上がる。そうやって会社は成長していきます。
それは給料以外にも努力を評価する、表彰する、休みを与える、提案してきた要望やアイデアは可能な範囲で対応する。不満や課題の一部でも解消できないかと行動してみる。人に好かれない人は常に「あなたが自分にとって何かしてくれたら僕も頑張るかもしれない」という相手の奉仕を先に求めます。
まとめ:良い人間関係の作り方
人との関係性の中で一番大事なのは「まず自分から行動すること」と「相手が求めていない愛を押し売らないこと」の2つです。
人見知りな若者は以下の事を考えています。
- 自分からいちいち話しかけてまで人間関係を深めたいと思わない。
- 積極的に話しかけて、自分が傷つくことになれば嫌だ。
- だから話しかけて欲しい。それなら自分を返す。
- 上手く返せないかもしれない。心の中では反省しているからまた声をかけてほしい。
人に好かれる人というのは、これまでの人生経験で何度も失敗して傷つきながら以下のスキルを身につけた人といえます。
- 今、相手は「自分の事をどういった人なんだ」と探っている、警戒している。
- 礼儀正しく、相手な不快に思われないように接しよう。
- 相手の感情を探るために、こういった会話を振ってみよう。
- 会話内容から、少しずつ言葉を崩したり、他の話題を振ってみよう。
- 相手からサインが出た。相手を助けたり、支援する行動をしよう。
- 相手が自分を信頼するようになった。自分も素を出して接しよう。
上記の事を考えながら人との距離を詰めていく会話が出来るからこそ、人に好かれることが出来ます。それは今コミュニケーションを面倒だ、苦手だと感じている人にも当てはまります。
ほとんどの人が、自分が拒絶されること、傷つくこと、恥をかくことを恐れます。
大事なのは一歩踏み出す勇気と恐れずに相手の反応を伺い、相手に拒絶された時、嫌がる素振りをされた時に素直に受け入れる覚悟です。