良質なブログ記事を書くためには【その記事に訪れる読者像(ペルソナ)を具体的にイメージすること】が大切です。
もしも目の前にプレゼンしたい相手がいたとしたら、あなたは以下のような事を考えるのではないでしょうか?
- この人はこういう知識があるから、この専門用語を使えば興味を持ってくれそうだ。
- この人はこういう言葉は嫌いだから、このような言い回しを避けよう。
- この人は40代だから、●●のアニメのキャラを具体例に出してもピンとこないだろう。
会話では、喋る相手が変われば、単語のチョイス・使う具体例・言葉の言い回し、話の展開の仕方を変えます。
ブログも同じで、目の前にいるたった1人の読者に対して、話しかけるイメージでかけた記事こそが”良質な記事”だといえます。
あなたがどれだけ知識があり、素晴らしいプレゼン能力を持っていたとしても、相手が理解できない言葉を使ってしまえば、それだけで相手は理解できなくなります。
”自分が良い記事を書けるかどうか”よりも”読者にとって共感・読みやすい記事であったかどうか”が何よりも重要です。
この記事では読者像(ペルソナ)を明確にし、その読者にとって最も読みやすい・共感しやすい(=良質な)記事を書くコツについてお伝えしています。
1.ブログでペルソナを設定する目的とその効果
まず「ペルソナとは何か」・「ペルソナを設定する目的」・「ペルソナを設定することの意味(効果)」の3つを簡単にご説明します。
ブログのペルソナ(想定読者)とは?
”ペルソナ”とは、マーケティングや製品開発の分野で使用される概念で、ターゲットとなる顧客層(ブログの場合は読者)をより具体的に定義するための思考フレームワークです。ペルソナは、特定の商品やサービスを利用する(その記事に訪れる)仮想の人物(読者)像を表します。
ブログでペルソナ設定は不要?
「ブログでペルソナを設定することは不要だ」という記事を見かけることもありますが、稼いでいるブロガーの記事を見ていると記事コンセプトがはっきりしていて、無意識にペルソナ設定をされているなと思います。非常にブログ(WEB)マーケティングの勉強をされている方が多いです。
「この記事のアクセスや収益を強化したい。でもどうリライトすれば良いのかわからない。」という際にも、客観的に自分の記事を分析できるようになるので、必ず知っておくべき知識だと思います。
ブログでペルソナ設定を設定する意味とその目的
ブログにおける”ユーザーニーズ(読者)”は以下の5つの事をブログ記事に求めています。
読者が求める5つの記事ニーズ
- 自分が知りたいことだけを丁寧に書いてくれ。
- 本題ではない話は別の記事に書いてくれ。
- 自分が理解しやすい、読みやすい日本語で書いてくれ。
- たとえ話は自分が知っているネタで話してくれ。
- 自分が勉強になるなと思えるような話の持っていき方をしてくれ。
良質な記事とは「読者に対して120%の満足をさせる記事」であり、満足度80%程度の簡単すぎる内容でも駄目ですし、情報量が200%の読者にとって難解すぎる文章でもいけません。
「難易度が難しすぎてもだめ」、「共感できるネタでないとだめ」、「余計な事を書いてはだめ」といったように、「訪れた読者にちょうどいい満足感を与える」ためには、読者の人物像を想定する必要があります。
これが記事を書く前にペルソナ(想定読者)を設計することの意味と目的です。
ブログでペルソナ設定をする意味とその効果
では練習としてお題を出します。
「幼少期は外で遊ばず、ゲームをしていた人が父親になり、転勤により地方に在住し、そこで結婚し、5歳の男の子が現在います。その男の子がカブトムシを捕まえに行きたいと思いました。しかしその父親には、そうした経験がなく、近所の山でどうやってカブトムシを捕まえればいいかわかりません。【カブトムシ 捕まえる方法 初心者】というキーワードを打ち込みました。あなたはどのような内容で記事を書きますか?」 |
もしも検索キーワードから上記のように「その人の置かれている状況の全てが理解できている」としたら、ブログ記事が書きやすくなると思いませんか?
検索キーワードを打ち込んだ読者の状況や求めている情報ニーズを明らかにし、その読者が好む文章とは何かを明らかにする。
これがブログでペルソナを設定する意味です。
2.ブログのペルソナの作り方とその手順
では”ペルソナの作り方の手順”についてお伝えします。
ブログでのペルソナの書き方
まずマーケティングにおいて設定されることの多い”一般的なペルソナ設定項目”からご紹介します。
マーケティングでユーザー像を定義するために使われる15のペルソナ設定項目
ペルソナ設定項目は、状況や目的に応じて項目が追加したり、不必要な項目を削除するなどカスタマイズして運用する事が一般的です。あくまで以下の項目は参考程度にとどめて置いてください。ブログを書く上で不必要な項目も含まれています。
ペルソナ項目 | ペルソナ設定例 |
---|---|
ユーザー(読者)像 | 高品質なブログを書きたいと思っている人 |
年齢層 | 25歳から40歳まで |
性別 | 男性 |
職業 | 高度な知識やスキルを持たないサラリーマン |
趣味・興味 | 広く浅い趣味・付き合いなどたしなむ程度 |
家族構成 | 未婚 |
教育レベル | 私立4年制大学在学・あるいは卒業 |
所得 | 年収300万円から400万円 |
生活スタイル | 月30時間未満の残業で、就業後、作業の時間が取れる。 |
課題・ニーズ | 将来のキャリアが見えず、副収入を得たいと考えている。 |
目標 | 月5万円以上の副収入 |
コミュニケーション傾向 | 自分が主体となって発信するのは苦手 |
デバイス・プラットフォーム | 自宅以外ではパソコン・自宅ではパソコン |
情報ソース | SNSやネット掲示板 |
購買行動 | ネットで複数回の購入経験あり |
上記の項目単体を見ると「ペルソナなんて設定しても意味あるの?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、それぞれの項目をつなぎ合わせて読者像を思い浮かべるとブログ執筆に役立つ様々な情報が浮かび上がってきます。
ペルソナ項目から読み取れること
- 専門用語はどの程度知っているのか、どこまで語彙力があるのか。
- どのような会社で働いていて、共感できる考え方は何か。
- 文中で使う具体例や表現はどのようなものが適切か。
- どのような不満を持っていて、それを刺激するワードは何か。
- どのような願望があり、それを喚起するワードは何か。
ペルソナはただ設定するだけでは意味がなく、ブログライティングに活かして初めて効果を発揮します。
この記事におけるブログペルソナ設定例
この記事であれば、僕が設定したペルソナは以下の読者です。
この記事のペルソナ設定例
副業に関するSNS投稿を見かけ、ブログ運営に興味を持ちWordPressを半年以内に立ち上げたばかり。これまでマーケティングやセールスに関するマネジメントを行った経験も知識もほぼない。これまでブログ記事を20記事ほど書いたがアクセスは増えず。ブログ運営ノウハウの勉強の必要性を感じ、ペルソナという言葉を知り、この記事にたどり着いた。他の有名サイトの記事もすでに目を通しており、ペルソナは重要だと思うが、設定することの意味を感覚的に理解できず、現在いろんなサイトの記事を読み漁っている。
ペルソナという言葉は、多くのブログノウハウサイト・コンテンツマーケティングサイトで必ず出てくるといっていいくらい有名なフレームワークです。
多分僕の記事を読む前に、他のブログサイトでペルソナという言葉を聞いたという人の方が多いのではないでしょうか?
「ペルソナは重要らしい。でもどこにもその活用方法は書いていない。やっぱりいまいちピンとこない」という人がこの記事のターゲットペルソナです。
ブログペルソナ設定テンプレート
上記で説明したユーザーペルソナ設定項目は、あくまで汎用的な項目であり、ブログ運営にカスタマイズしたペルソナシートを活用する必要があります。
ブログにおけるペルソナ設定基本フォーマット
ブログで使用すべきペルソナは以下の5つの要素で構成されます。
ペルソナの基本情報 | 読者の年齢や教育・知識レベルなどパーソナルな情報 |
バックグラウンド情報 | 読者がこれまでに見てきたブログ記事・ブログ運営経験 |
興味・関心や行動 | ブログ運営においてどういうノウハウに興味があるのか |
課題やニーズ | ブログ運営でどういう壁に直面しているのか |
目標や期待 | 具体的にどのようなアクセス指標を改善したいのか |
ペルソナというワードは、ブログ記事ライティングに関係する単語であり、まだ自分が満足する記事をかけていないブログ運営駆け出しの人が検索するキーワードです。
もっというと、自分の書く記事の品質は高いと思っていなくて、文章の上手さやデザインといった小手先のテクニックではなく、もっと根本的な話を聞きたい。「どうしたら安定的に質の高い記事を量産していけるのか」のノウハウを求めている人だということができます。
良質なブログ記事を書くためのペルソナ設定シート5項目
ブログを書き出すと「前置きはどこまで書くべきで」・「専門用語の説明はどこまですべきで」・「どこまで言葉を崩してよくて」・「1記事でどこまで説明すべきか」がわからなくなってきます。
全く同じキーワードで、同じような内容でも書く人によってブログ記事に個性が出るのはそのためで、書き方で読者にとっては全く違う記事に見えます。
それがGoogleなどの検索エンジンが求める「独自コンテンツ」です。
ペルソナ設定うんぬんなんてものは10年前から言われていることで、2024年2月にこの記事を書いているのですから、情報の新しさだけでいえばかなりの周回遅れです。それでも記事品質さえ高ければ、今からでも検索上位表示は可能です。
僕は毎回ブログ記事を書く際に以下のペルソナ設定シートを書き出すようにしています。
ペルソナ設定シート5項目
- この記事を好む読者はどのような体験をした人か?
- この記事を読むまでにどのような行動を経験したか?
- この記事を読むにあたり、どのような課題を感じているか?
- この記事を読んで、どんなアクションをしようと感じたか?
- この記事を読めば、どのような疑問を持ったか?
3.ブログで設定したペルソナの活用例
書きたい記事にふさわしいペルソナを設定できれば、以下の6つの点において記事は生まれ変わります。
ペルソナ活用事例①:記事タイトル
【ブログ ペルソナ】と入力すると似たような記事タイトルがずらーっと並びます。それは他のキーワードでもそうで、【●●の方法】とか【●●テンプレート】・【●●設定手順】など、ある程度、WEBマーケティングのお作法を抑えたタイトルが上位トップテンを占めます。
その中から読者の目を引く記事タイトルを命名するのは簡単なことではありません。
なぜなら「キーワードリサーチでわかるような表出ニーズはすでに他の人に取られている」からです。
今から読者にクリックしてもらうような記事タイトルをつけるには、読者も気付いていないような潜在ニーズを拾い上げる必要があります。そのためには、他のブロガーとは違うペルソナを設計し、独自の視点による読者へのメッセージを伝える事が重要です。
ペルソナ活用事例②:リード文
本文に至るまでのリード文にも同じことがいえます。
冒頭の9行程度の短い文章で、読者の興味をひきつけるには「こういった経験をしているんだよね?」・「だから、こういった事に課題を感じていてるんだよね?」・「でも他の記事を読んでもこの課題は解決できなかったんだよね?」「こう記事ではこれを書いているよ。最後まで読みたいとは思わない?」と読者の深層心理をずばり的中させれば、最後まで文章を読んでもらえるようになります。
リード文の基本は”読者への共感”です。
文章力はさほど重要ではなく”「読者のこれまでの経緯」をずばり的中させる推理力”が最も求められます。
上手なリード文を書けるようになるには、読者心理を読み解くためのペルソナ設計が必要不可欠です。
ペルソナ活用事例③:本文
読み進めやすいブログ文章とは、「自分が理解できて」かつ「読んでいて勉強になる」ものである必要があります。
勉強にはなるけど専門用語をバンバン使われると読んでいて辛くなってきますし、全く勉強にならない内容では「読んでいて時間の無駄」だと感じます。また記事によっては「自分は間違ってなかった。正しかった」と読者の背中を押してあげる内容が求められるかもしれませんし、「複数の選択肢を提示し、整理されている印象」こそが最も重要視されるかもしれません。
記事によって読者がブログ記事に求める価値は変わるということであり、ブログ記事によって話の展開を変える必要があります。
どのような話の持っていき方をすべきかは、設定したペルソナで決まります。
ブログ記事の種類で内容を書き分けるノウハウに関しては以下の記事で解説しています。
ペルソナ活用事例④:内部リンク
ブログサイトの構造を決めるのが「内部リンク(関連(おすすめ)記事)」です。
この記事でも多くの内部リンクを挿入していますが、内部リンクはブログ記事の奥行きを左右する最も重要な要素ですが、内部リンクは「おすすめ記事リンク」をつけても、読者がクリックすることはありません。
読者がブログ記事を読み進め「どのようなことに興味を持ったのか?」というペルソナを正しく設計し、その興味を刺激するテキストをつけなければ、「ただリンクをつけただけ」で終わってしまいます。
内部リンクを上手く使いこなすことが出来れば「読者に様々な情報を与えることの出来るページ」として、検索エンジンから高い評価をうけることができるようになるので、是非マスターしておきたいテクニックです。
ペルソナ活用事例⑤:まとめ
ブログ記事の”まとめ”は「読者の次なるアクション」を喚起する非常に重要なパーツです。
まとめはただ記事の要約をすればいいというものではありません。
「読者にこの記事ではここまでがわかりました。」と読んでいただいたことの価値を振り返ると共に「次はこういうことに興味をもったほうがいいですよ」と読者に”続きの話をオファー”するパーツです。
このオファーが不発に終われば、読者はあなたのブログサイトから離脱します。
読者を逃がさないようにするためには「読者に興味の刺激を与え続けること」が重要になります。
その記事を読了した読者は「どのような感想を持つのか」そして「その感想を持った読者が共感できるオファーとは何か」を考える事が大切です。
ペルソナ活用事例⑥:商品リンク
ほとんどの人のブログを運営する目的が”多くの収益を得ること”であると思います。
ブログ記事をたくさん書いて、商品リンクをつけた収益ページを作り、そのページにアクセスを流し、そのページで商品リンクをクリックしてもらい、飛んだ先のページで購入してもらう。
これがブログ運営の究極的な目的です。
しかし、当然ながら適当に収益ページを作り、商品リンクを貼り付けただけでは、成約に至る確率はほぼ0です。
それは読者にとって、押し売りにしか過ぎないからです。
「商品リンクは添えるもの」であり、ブログ記事のコンテンツの1つでなければなりません。
「今までこういう話をしてきて、僕のいうことに共感してもらえたと思う。それで僕はこの商品が一番おすすめなんですよね。」という話の流れが合って、初めて商品は売れます。「流れをぶったぎっていきなりおすすめされても・・・。」と読者が困惑する状況では、どれだけ良い商品であっても売れません。
読者とどこまで共通認識が持てたか?それはどの記事であるのか?そしてどのようなくどき文句で行うべきか?
それらをしっかり考えることこそがブログの収益を上げる一番の秘訣です。
まとめ
ここまでペルソナの設定項目、ブログにおける設定項目の例、設定したペルソナの活用例といった3つのことについてお伝えしてきました。
頭では理解できても、自分がこれから書きたいブログ記事に応用することはもちろん簡単なことではありません。
自分なりにペルソナを設定し、ブログ記事を書いた。でも知人や先輩に「記事を書いたから見てみて」といった時に「メッセージが一杯あって何をいいたいの?」と指摘されることは山ほど出てきます。
僕自身ブログの先輩に「ペルソナの設定してる?」と聞かれて「してますよ!!これでも!!」といった経験がありました。
「頭で理解できている」のと「実際にできる」のは非常に大きな隔たりがあります。
いろんなサイトでブログを10年くらい書き続けていますが、今でもリライトをする時に「うーん。ズレていたかなぁ」と文章の大幅な修正をすることなんてしょっちゅうです。
すぐには上手くいきませんが、ペルソナという概念を知っているだけで、常に「自分は間違った理解をしていたかもしれない。」・「こう考えればこういうブログ記事の話の持っていき方のほうがいいかもしれない」と自分が書いた記事に対して振り返ることが出来るようになります。
現状に満足せず、ブログ記事を直し続けることさえ出来れば、最後には自分が求める結果を手にすることができます。
上手くいかない時、自分の設定したペルソナが間違っていなかったか振り返る癖をつけましょう。