能力が高い、専門知識がある、経験豊富。
これらのスキルがあれば、プレーヤーとしては優秀かもしれませんが、リーダーとしても優秀であると問われれば答えはNoです。
なぜなら、プレーヤーとリーダーでは、求められる考え方、必要な能力、これから磨いていくべきスキルは全く違うからです。
この記事では、リーダーには、どのように視野を広げていく事が必要で、プレーヤーと違いどのような能力・スキルを磨いていかなければならないのか?という具体的な要素についてお伝えしています。
リーダーとは?
極論を言えば、プレーヤーであれば、自分が担当している作業の成果さえ上げることだけを考えていればいいです。同僚の評判が悪い、でも上司から「仕事はできるから…」という評価があれば、雑な扱いを受けることはまずありません。
でも、そこでキャリアは終わりです。
給料というのは、左右するお金のサイズで決まります。1000万動かせる人材と100万しか動かせない人材。どちらが高給になるのは、誰の目から見ても明らかですよね。そして扱うお金のボリュームは、ビジネスによっても左右しますが、今所属する会社でという話に限定するのであれば、指示できる社員の数に比例します。
個人でビジネスをしていても収益を伸ばすなら、外注したり、パートナーを作ったり、クライアントの担当者と連携して仕事をしていかないといけません。
相手の仕事の質を左右する、リーダーとはそれが出来る人物の事を言います。
これからリーダーになる、より上位のリーダーになる人に必要な心構え
リーダーになる人は誰しもが、昨日まではただのプレーヤーです。それはこれまでリーダーで合った人でも同じで、チームリーダー、現場リーダー、中堅リーダー、統括リーダーといったように、扱うグループのサイズが変化すれば、求められる能力や考え方は、現場から離れた抽象的なものへとなっていきます。
ゲームのようにリーダーになったから、あなたの能力が急に伸びるわけでもないし、知識が増えたわけでもありません。あなたの能力は昨日と変わらないのに、今日、リーダーになった途端、リーダーとして求められる能力の発揮、行動をしなければいけません。
そのため、リーダーにこれからなる人は以下の心構えを持つようにしましょう。
- 昨日まで成果が出せたとしても、新しい立場で同じように成果が出せるとは限らない。
- なぜなら、立場が変われば、求められる能力も考えの幅も違うから。
- なので、これから必要になってくるのは、考え方をどのように変えることなのか?
- どのような能力を磨き、発揮していく必要があるのか?
- 今の自分の武器で戦うのではなく、新しい武器を手に入れることに挑戦する。
- 昨日までは職場のエースでも、新しいポジションでは新人である事を自覚しましょう。
以下の記事ではリーダーに求められる役割とリーダーの立場による役割の変化について解説しています。上記の心構えをより深く理解できるので、是非、当記事とあわせてご覧になることをおすすめします。
プレーヤーからマネージャーになることがなぜ難しいのか?
経営者の悩みの1つである「リーダー不足」という問題。
これは単なる頭数の問題ではありません。勤続年数や選考基準を満たしている社員が不足しているわけではありません。でも、それを選考する部長やマネージャーからしてみれば「確かにAさんは優秀だ。でもリーダーとして考えるとなると話は別だ。」といったように、「業務能力が高いからといってリーダーに適正がある」とは限らないのです。
その理由は訓練できない能力に起因します。
普段の日常業務を通じて、試行錯誤していけば、業務の効率化、コミュニケーション、知識、ノウハウは身につきますが、それらは全て自分の作業のクオリティを上げるためのスキルです。
しかし、リーダーになった途端「自分で稼ぐ能力」ではなく「他人を稼がせる能力」を発揮しろ。と求められるわけです。そんな能力はこれまで磨いてこなかったし、求められてもこなかった。次世代リーダーが不足するのも当然です。
今リーダーとしての能力がある、なしで考えるのではなくて、リーダーになる人はこれからどのような考え方を身につけ、どのような能力の習得を意識し、どのようなスキルを発揮しないといけないのか、それらを知る事が重要です。
リーダーに必要な6つの考え方・マインドセット
リーダーになると一番変わることは、物事に対する捉え方、「全体的な視野」で物事を考えなければいけなくなることです。
リーダーになるまでは、与えられた目標や指示や指導に従い、高い成果を残すという”受身型の使命”の達成さえ出来れば構いませんが、リーダーは全体的な目標を達成するために、自分で方法を考え、試行錯誤していく”自発型の使命”を求められるようになります。
リーダーが持たなければいけない考え方は以下の2つです。
- 時間を作るという意識
- 自分が知らないこともマネジメントするという意識
詳しく説明します。
リーダーの一番の仕事は時間を作ること
ほとんどのリーダーは「これまでの自分の作業」に加えて、「リーダーとしての新しい役割」が追加されます。飲食店で多いのが、店長はほとんどアルバイトと同じ業務をして、そこに事務作業がプラスされ業務に追われている状態です。
睡眠時間を削って会議に参加して、課題発見や改善案を話し合いますが、アルバイトを教育したり、新しい試みを考えたり、じっくりとお店のことについて考える時間はほとんどありません。
そんな状況で改善なんて出来るはずがありません。
リーダーに求められる考え方①:作業を誰かに任せる
リーダーになればすぐに「マネジメント」をする時間はありません。なので、まずいままで自分がしていた業務を他のメンバーに教育することから始まります。
リーダーになれば、定時の作業時間が8時間あるとしたら、自分の業務は6時間で終わらせ、2時間の時間を余裕を作ることを目指してください。そのためには「いかに作業を他の人にやらせるか」を意識しましょう。
リーダーに求められる考え方②:時間の優先順位をつける
時間の管理が下手な人は、「自分がこれをしなきゃと思っている仕事」、「誰かに任された仕事」、「目の前にある仕事」から順番にこなそうと思います。
でも全ての作業を出来るだけ早く終わらせる必要はどこにもなく、締切までに終わらせることが出来れば問題は起きません。仕事なんて探せば、いくらでも思いついてしまいますし、「今日、じっくり考える時間を2時間作る!」と自分が決めない限り、いつまでも作業をしてしまいます。
あなたは作業員でも、事務員でも、職場の御用聞きでもなく、リーダーなのです。
作業をする、量をこなす、そういったプレーヤーとしての意識はなくす事が大事です。
リーダーに求められる考え方③:より長期で作業スケジュールを立てる
作業をすれば、目先の問題はなくなります。しかし、常に現状維持です。毎日、同じトラブルが起き、生産性も変わらない、ライバルは強くなっていく、市場も変化する。
「毎日同じ作業をする」ということは「変わる事を放棄する。現状維持でいつか滅びの時が来るのを待つ」という意思決定をしているのと同じです。
自分の作業をこなすことを優先するのは結構ですが、「職場の成果が変わらないのは当然だ。だってリーダーとして何も動いてないんだし。」と文句を言われても当然であることを認識しましょう。
自分が知らないことに恐怖や不安を感じるのをなくす
リーダーに必要な2つ目の考え方は「自分がこれまでに経験していないこともマネジメントする」ということです。リーダーになれば、自分の専門分野外、これまでに携わってこなかった業務や様々な立場の人と連携していかなければならなくなります。
プレーヤーであれば、業務知識を学び、経験を積み、スキルを磨き、それを自分の武器として、戦っていけます。しかし、リーダーになれば、自分に知識がない話も決めなくてはいけない、話し合っていかなくてはいけないということになります。
リーダーに求められる考え方④:自分が経験していないことを避けない
そもそも「自分に知識がある」、「スキルがある」というのは別に必要ではないです。なぜなら、リーダーはプレーヤーではなく、マネジメントをするポジションであるからです。大事なのは、様々なメンバーの提案や問題意識をヒアリングし、チームのリソース、状況を考えて、全体的な視点から総合的に最適だと思われる決断を下すことです。
なので、わからないときがあれば、その時、ヒアリングして理解すればいいだけで、電卓の「作り方」ではなく「使い方」さえわかればいいのです。
あらゆる事を理解してからじゃないと決断できない。なんて人1人の人生という短い時間では達成できません。リーダーに求められるのは、知らないことも周囲から自分が求める情報を引き出し、それを取りまとめていく「自分が知らないこともマネジメントできる力」です。
リーダーに求められる考え方⑤:リーダーはプレイヤーではなくサポーター
適切な目標と指示、サポートができれば、後は専門知識・スキルのある人が、勝手に試行錯誤し、成果を出していきます。
日本企業では、現場スタッフの意識は高く、中小企業でもやる気のある人、能力の高い人はごろごろいて、そのほとんどが実力を発揮できていません。あなたの指示がなければ、チームの生産性が落ちるなんてことは実際ほぼないです。
むしろ、上司や先輩のサポートがない、チームで連携が上手くいかない、無意味なルールや無駄な事務作業を押し付けられて時間がなくなることで本来のパフォーマンスが落ちている場合がほとんどなので、リーダーはメンバーの能力を最大限発揮できるようにサポートをするだけでいいです。
リーダーに求められる考え方⑥:支配ではなく誘導を心がける
優れたリーダーは、自分より知識がある専門家、高いスキルの質を持つプレーヤーに恐怖を感じません。相手を好きに喋らせ、熱い想いを語らせ、持論を「ふんふん。」と聞きながら、「A君はさすがだね、頼りにしているよ。」といいながら、上手く会話をコントロールし、相手が自分の求める答えを言うように誘導していきます。
相手は気持ちよく喋り、「自分でその答えを考えている」と錯覚しているので、会話に角が立たないし、自分に喜んで協力してくれます。
相手が何か言えば、反論したり、よりレベルの高い答えで詰める、ねじふせる、「自分が話す時間ばかり増やす」というのは、リーダーとして駄目です。
相手が話す時間を増やしつつ、上手く質問して、会話の流れは自分が支配する。
そういった事が出来るように意識してみましょう。
リーダーに必要なのは考え方のパラダイムシフトを起こせるかどうか
プレーヤーであれば、これまで以下の考え方が重要でした。
- 自分が担当している業務知識を誰よりも詳しくなる。
- 自分がいかに早く、精確で、質の高い作業が出来るか。
- 相手に自分が抱えている課題や改善案をどう上手くプレゼンするか
優秀な人であるほど「相手をねじふせる、自分の能力が高いと認めさせる」という事が正義です。
しかし、リーダーになると逆になります。
- 自分が担当しているチームに関連するあらゆる業務を浅く広く知る。
- 仕事のクオリティをさげずに、どうやってメンバーに仕事を任せていくか。
- 相手の意見を引き出し、相手の積極性や自発性をどうやって引き出していくか。
つまり「これまであなたがやっていたこと」を「相手からされる側」に回らないといけないのです。
それはこれまでにあなたが積み重ねてきた武器を捨て去るように思えるかもしれません。しかし、そうではなく、これまでに歩んできた道のりを後輩、部下にたどらせるということであり、それこそが真の意味での人材育成です。
あなたがこれまで試行錯誤し、積み重ねてきたものであるからこそ、誰よりもわかりやすく、部下に後輩に、より短期間で経験させてあげることができるのです。
リーダーが変われば、メンバーの質が変わるのはそのためです。
リーダーに求められる6つの能力・スキル
上記を達成するためにリーダーが身に付けるべき6つの能力・スキルについてお伝えします。
リーダーとして必要な能力①マネジメントしやすい環境を作り上げる力
まずリーダーが身に付けるべきスキルは、メンバーが自分に協力してくれるようになる状況・環境を作る事の出来る能力です。
リーダーに必要なスキル①:冷静に自分の感情をコントロールする能力
リーダーが身に付けなければいけない能力は「どんな時でも感情的にならず、自分の感情をコントロールする力」です。
指示通りに動かない。指導してもその通りにしない。やる気が低い。常識がない。
いらっとすることなんて仕事をしていれば山のようにでてきます。でもその感情を元に叱ったり、指導することは、相手の事を考えているようで「自分がムカついたから」という感情の発散に過ぎません。
それで相手の行動は変わりますか?相手は頭ごなしに感情をぶつけられて、良い感情をしますか?
あなたはリーダーです。あなたのあらゆる態度・行動・発言は職場の全員にみられています。
まず自分が尊敬される。信頼される上司・先輩になる。
そういったメンバーから評価されて始めてリーダーとして動けるようになります。相手をどうこう言うより、「まず自分が精神的に成長しよう」その意識を持ちましょう。
リーダーに必要なスキル②:相手の感情を理解してより良い関係を作る能力
自分の感情に振り回されず、冷静にいれるようになると自然と会話をしていても「相手の表情や声のトーン」をじっくりと観察できるようになります。顧客や先輩、上司が怒っていても「この人はこういったときに声を荒げるな」とか「こういった話をしたら少し落ち着いた」とか相手の反応をじっくりと見れるようになります。
そして何よりも「間を持てる」ようになります。
感情的になっていたり、何かを思い込んでいる人には、どんな言葉も聞いているようで、全く聞いていません。なのでまずは話を聞き、この人の感情が落ち着いたなと感じたタイミングで話を切り出していく。
そういった相手の感情にあわせたコミュニケーションが出来るようになります。
リーダーに必要なスキル③:上手に折れて相手が話を聞こうとする状況を作る能力
特に知識がある人や能力の高い人は、非常にプライドが高く、些細な会話の1つにも勝った・負けたというよくわからない勝負意識を持ち込んできます。それは会話をしていてもわかります。
そういった人は、自分が話していても「こういう事例を話そうか」とか「この知識を話そう」といったように、「自分が次どんな返しをしようか」ばかり考えています。
なので基本的に話を聞いていないので、まず相手の話を聞き、自分が折れて、負けることで相手は「自分が勝った」と思い込みます。その後で「もう一度この話をしたいんだけど」と仕切りなおします。
会話で大事なのは、相手は聞いているようで聞いていません。相手が「話をしっかりと聞く」という感情モードをいかに作るか?という事が大事です。
リーダーとして必要な能力②:専門分野外でも上手くマネジメントする力
メンバーの信頼を勝ち取る事が出来たら、自分がこれまでに経験していない、専門的な知識がない、処理できるスキルがないことでもうまくマネジメントするためのスキルを磨いていきましょう。
リーダーとして必要なスキル④:質問力・中断力
自分が経験したことがない、知識がない業種、性格が合わない、自分と考え方が異なる人を上手くリードしていくためには、自分の知らないことを上手く聞き出す”質問力”が必要になります。質問はある程度パターンが存在します。
「どんな選択肢が存在するのか」、「それぞれのメリット・デメリット」・「それを実行する際に必要となるリソース」、「現状のチームで起きる問題」など、コツを掴めば上手く会話をリードすることは出来るようになります。
コミュニケーションスキルとして、習得が難しいのは質問より、中断のほうです。知識が高い人や自分の経験やスキルについて、熱く語りたがると思うので、話を本筋に戻す、話が具体的な話になりすぎているなと感じた時「それは興味があるから、後でじっくり聞きたいんだけど、時間が今はないから、この辺のところを詳しく教えて欲しい。」といったように、相手の話す内容を上手くコントロールする力が求められます。
リーダーとして必要なスキル⑤:聞き出した情報の取捨選択
リーダーは様々なメンバーの話を聞き、総合的に決断する事が仕事です。
なので、取り組んでいる課題・解決に関連する要素のみを選択する情報の取捨選択ができないといけません。もちろん、メンバーが話す全てがチームにとって重要ではありますが、様々な課題に同時に取り組むことは出来ません。
部下や同僚、先輩から、「どんな選択肢が存在するのか?」を聞き出し、必要な情報を選別する。
話し合いで決めるのではなく、誰のアイデアを選ぶのかは、リーダーは決断しなければいけません。
リーダーに必要な能力⑥:互いに助け合うチームを作る
誰のアイデアを選ぶのか、誰が今回の課題解決、目標達成のキーマンとするのか、を決定できれば、メンバー全員でその人のサポートをするというように気持ちを切り替えないといけません。キーマンが若手社員や新人スタッフであっても、その人が頭で考えている事が実現できるように、あらゆる協力、サポートを全員がするように意識を持っていく事が重要です。
「新しいWEBアプリを導入する」という場合であれば、年齢が高いスタッフは抵抗感、苦手意識があります。そうした人に対して、若いスタッフが全力でサポートする。課題が変われば、役職、経歴など上下は関係ありません。
田舎では、お年寄りが若者を見守り・助言する一方で、若者が電子機器の使い方をお年寄りに教えてあげる。
そうした相互関係が自然と出来ています。
誰が何をするか、誰がどういう役目なのか、というポジションや関係を固定化するのではなく、シーンで使い分ける。誰もが教える立場にもなり、教えられる立場にもなりうる。
そうした意識の切り替えをリードするのもリーダーの仕事です。
リーダーになる人に意識してもらいたい・教えたい5つのこと
ここまで説明してきたように、メンバーとリーダーでは求められる考え方も能力も全く違います。
自分が経験したことのないこともイメージできる・想像できる人になろう
これまでに学んだ知識、経験、スキルというのは、物事を考える上で非常に重要です。どんなことをすれば、どんな未来になるのか?それは自分の経験を元に想像します。
しかし、それでは、これまでに自分が学んだこと、経験したことの中でしか物事を考えられない視野の狭い人になります。この世のあらゆることを自分の目や耳で知ることは、人の短い一生では不可能です。
だから、書物や講義、動画など、話し合い、などから、学ぶ事が大切です。
つまり「役職が上がる、部下が出来る、裁量権を持つ」ということは、自分の住む世界・視野を広げることであり、自分が経験していないことを想像する力が求められます。
誰かに何かを求めるよりもまず自分が精神的に成長することを意識しよう
自分ならこれができる、自分ならこんな判断はしない。
リーダーになればこう思います。でもそれは、「相手の行動を上手くコントロールする力が自分にない」と同じです。あなたが現場で作業しているとき、自慢げに「僕は仕事ができない。能力が低くて、知識もない」ということを言いますか?
いいませんよね。
でも、中には部下に「あいつは仕事ができない」と大きな声で恥じらいもなくいう人がいます。部下は心の中で「じゃあ、指導するか、配置を変えるか、やめさせるかしろよ。あんたはなんのためにいるんだ」と思っています。
もちろん、中にはどうしようもない人もいます。どれだけ愛を持って接しても悪意で返してくる人もいます。しかし、リーダーの仕事は「自分が作業して成果を出す」のではなく「メンバーに作業させて成果を出させる」ことです。
「自分は仕事ができる」という観点で物事を評価する意識はなくしてください。
相手の行動に真剣にコミットすれば心理学について学ぶようになる
視野が自分から相手へと変わる。これがリーダーになる人に起こる第一の変化です。
「自分の学習の質を高める」ことができれば、「次はどう相手をコントロールするか」が課題になります。ここで意識を切り替えられた人は、「この人はなぜこんな行動をしたんだろう」、「どんなことを考えたからそうしたんだろう」という相手の感情・心理について興味が出てきます。
すると会話をしていても「多分、こういう風に受け取ったな」という相手心理を表情や声の変化から読み取るようになり「Aさん、僕がいいたいのはAさんが悪いというわけじゃなくて・・・」といったように、相手の感情を理解した上で、相手を導く最適解を探すようになります。
それは一朝一夕にできるわけではなく、日々、相手の顔を見て、相手の気持ちを想像し、会話の反応と実際の行動変化から、少しずつ自分の中でやり方が見えてくる人間として成長する力です。
すぐにリーダーになんか誰もなれない
これまでは自分だけの世界だったのが、自分と相手の世界に変わる。
それにすぐに対応することなんて出来ません。だから、リーダーでなくても、相手の事をよく知ろう。自分のことばかり話すのではなくて、相手の話を聞いてみよう。相手の表情の変化や会話から、相手は自分に対してどう思っているのかを想像する訓練を積む事が大切です。
なぜ次世代リーダーが不足しているか?
簡単です。教えていないからです。
リーダーに求められる能力や考え方は、業務を通じて学べません。
日常生活で、相手を尊重し、相手に興味を持ち、そうした能力を知らず知らずの内に磨けている人が、これまでたまたま採用できていただけで、あなたの会社の人材育成のおかげではありません。なので、数が必要になったとき不足するのです。
今までの延長で考える癖をやめる
新米リーダーの9割が、プレーヤーからの延長で良かれと思って努力している人ばかりです。これまでに培った経験や知識、あなたが誇りに思っている先入観・固定観念が、リーダーとして視野を広げることを阻害しています。
いくら素晴らしい研修や動画、本を読んでも、その本質は理解できず、リーダーとしての裁量権・責任が増えたことに喜びます。
「自分は凄いんだ。偉いんだ。」と自分の能力や実績を評価されたことを喜びます。
リーダーになる人は、全員人より優れた知識や実績、能力はあることでしょう。でもこれからは、あなたが活躍するのではなく、チームを活躍させる事が大事です。
それがリーダーの喜びでもあり、面白いところであり、それができれば、人間として大きく成長できます。
自分を変える、顧客を変える、後輩や部下を変える、チームを変える、組織を変える。社会を変える。
上記のように、より大きな視点で物事を捉えられるようになりましょう。