仕事術

【優秀な人かすぐ分かる】有能だと言われる人の特徴まとめ

あなたは「優秀な人とはどのような人」だと思いますか?

  • 高い営業成績を出せる人?
  • 作業能力に優れた人?
  • 専門知識や経験豊富な人?
  • 昇格・昇進した人
  • 要領の良い人?
  • 周囲の評価が高い人?

”優秀な人=能力・センスに優れた人”ではありません。

どんなに能力があろうとチーム状況や上司・監督・先輩・先生の指示や方針、目的に従わず好き勝手されれば、「この人は賢いし、能力があるけど使いづらい。一緒に動きたくない。」と思われてしまうからです。

”「優秀さ・有能さ」を評価するのは、自分ではなく周囲の人間です。

この記事では【真の優秀さとは一体何であるのか?どのようなスキルなのか?具体的にどのような行動や考え方をとればいいのか?】についてお伝えしています。

この記事の要約

  • 【人物像】優秀な人とはどのような人か?
  • 【能力・スキル】有能な人に共通する40の特徴
  • 【トレーニング】優秀な人・有能な人になるための方法

当記事末には【優秀な人材の思考手順を身に付けるためのExcelテンプレート】がダウンロードできる記事リンクがあります。

是非最後までご覧になってみてください。

1.優秀な人と優秀でない人との違いの差

仕事で優秀な人というのはどのような人か

「優秀な人・有能な人」と「優秀じゃない人」の差はどこで生まれるのでしょうか?

ずば抜けて優秀な人の特徴

「この人優秀だな」と思う瞬間は人によって様々ですが、特に感じるのが以下のようなシチュエーションです。

受験勉強時間が少ないのにすぐに点数が上がる。
アルバイトすぐに仕事を覚える。ミスをしない。
スポーツ練習に取り組めばすぐに上達する。
恋愛会話を盛り上げることができ、異性と仲良くなれる。
仕事責任ある役割を与えられたり、難しい仕事を任される。

上記が一般的に「要領がいい」・「賢い」・「能力が高い」と言われる人の特徴です。

優秀・有能でない人の特徴

大多数の普通の人の努力は、以下のようなものだと思います。

受験ひたすら問題集を解く。暗記する。何度も繰り返す。
アルバイト目の前にある仕事を終わらせる。今まで通りの動き方を守る。
スポーツ何度も同じ練習を繰り返し、出来るまで一生懸命頑張る。
恋愛自分の話を一生懸命頑張って話す。
仕事今の自分が出来る範囲で一生懸命努力する。

でもやっぱり自分と周りを比較して、以下のように感じる瞬間ってありますよね。

  • 同じように仕事して、同じ時間努力しているのに差が出る。
  • 優秀さとは、単なる能力や知識、経験の差では説明できない。
  • その差はセンスや才能というものではないのか?

中には、知識や能力がそれほどなくても。成果を出せる人がいます。

その差は一体どこで生まれているのでしょうか?

優秀な人とそうでない人の差を生む”思考の主体性”

優秀な人とそうでない人の一番の差は受身思考から抜け出し、自主的な思考をできているかどうか】にあります。

優秀・有能な人たちは、以下のような”主体的思考”が習慣として染み付いています。

受験自分が解けない問題だけ・テストに出やすい問題を集中的にやるべき。
アルバイトあの人がその仕事をしているなら、自分は別の仕事を探すべき。
スポーツ自分がしたいプレー・苦手なプレーを意識して練習しなければ上達しない。
恋愛相手がいることなんだから、好みや反応が違うのは当然。
仕事仕事は、上司や先輩、顧客に合わせて自分の行動を変えなければいけない。

例えば、メジャーリーグの大谷君のように速い球を投げたい時、一番大事なのは必要な努力のみを集中して行うことです。

  1. 速い球を投げるために必要な要素を片っ端に考えてみる。
  2. その中から自分が出来ている・出来ていない事を○・×をつける。
  3. 自分が出来ていないことをできるようにする練習方法を調べる。
  4. その練習方法がきちんとできているか監督や先輩にみてもらう。
  5. 1週間ほど練習したら、必ず動画や球速測定をし、結果を振り返る。

ただ投げ込みをしても、根本的な問題の解決にはなりません。自分に必要な練習メニューだけをやれば、短期間で効率的に成長出来ます。上司や監督が変われば、「あいつ急に伸びたよな」と短期間で急成長する人が出てくるのはこういった理由です。

優秀な人であるかすぐに分かる5つの特徴

短期間で成長し、結果を残すための”主体的思考力”は以下の5つです。

NO概念名優秀な人になるために必要な5つの思考その思考により設定できる目標
1状況整理自分の知識・技能・経験レベルを自覚し、客観的に自分を分析できる。設定する目標が現実的で段階を踏んだものになる。
2状況把握恋人や先生、上司・先輩が自分に求めてる事が何かがわかる。相手が求めるニーズが分かり目指すべき目標が決まる。
3課題設定相手は自分に対して、どのような評価をしているのかがわかる。相手の評価を通して、自分が解決すべき課題が見える。
4遂行目標将来的に自分がどう変われば上手くいくかがイメージできている。今の自分と理想の自分の差はどこにあるのかを特定できる。
5習得目標そのためには、どのような練習をすれば効率がいいのかがわかる。目標達成のために取り組む練習ポイントが見える。

優秀な人の思考手順5STEP

  • 自分がやりたいことではなく、相手は自分に何を求めているのか?
  • 自分は何が出来て、何が出来ないのか?
  • 自分のレベルはどのくらいで、次にどのようになりたいのか?
  • 相手は自分にどのようになる事を求めていて、今の自分とのギャップは?
  • 具体的にどのようなドリルをして、どのような振り返りをすればいいか?

ビジネスで目標設定が大事といわれるのはその通りで、目標が具体的であればあるほど成長スピードは上がります。

「知識を増やそうとか、スキルを磨こう。」と目的なしの努力をするのではなくて、努力すればするほど成果につながる”目標設定の仕方”を学ぶ事が大切です。

自分が目指すべき目標を設定し、ふさわしい課題を設定するための目標設定エクセルテンプレートはコチラの記事からダウンロードができます。80種類の課題から選ぶことが出来るので、「自分がすべきことはこれだったんだ!」という解決のヒントにしてください。

2.「この人有能そう」と思われる優秀な人のオーラとは

優秀な人・有能な人は自信や自己肯定感に満ち溢れ、立ち振る舞いや姿勢という形で表れます。

それが俗に言う「できる人オーラ」・「優秀そうな雰囲気・空気感」の正体です。

優秀な人のオーラの正体である内面から滲み出る”精神的な余裕”

優秀な人の【性格や人柄・雰囲気】とは、どのようなものをあなたは連想するでしょうか?

「優秀な人は誰に対しても謙虚で優しい」・「ユーモアがありフレンドリーな人柄」・「思いやり・気遣いが出来る」というイメージがありますよね。

それらは持って生まれた先天的な性格や社交性といった事を思いがちですが、実際のところは”トレーニングをすれば習得出来るビジネススキル”です。

優秀な人の雰囲気が落ち着いて見える理由は受身の姿勢にある

優秀な人・有能な人は、これまでのコミュニケーションの中で、相手と敵対するとか対立することは損であることを体験しています。

「自分の意見は合理的である」とか、「相手を論破する」とかそういった次元で考えておらず、「とりあえず相手の反応を見てから考えるかー」というような軽い感じでコミュニケーションを取る事ができます。

優秀な人のコミュニケーションは以下のように受身であることが多いです。

とりあえず、最後まで相手の話をまず聞こう。
相手は今、どのような意図を持って話しているのか理解しよう。
相手は自分に対して、どのような返答・答えを求めているのだろうか。
相手と自分の考えのギャップをどうやって埋めていこうか
この人に対しては、こういう返し方の方がいいかもしれないな。

一方、知識や能力があっても優秀でない人は、以下のような自己主張の強いコミュニケーションをとりがちです。

相手が話している間、「どう自分が返答しようか」ということばかり考える。
言い争いをしている時、相手の話にかぶせ気味で返答してしまう。
相手が話している時間よりも、自分が話している時間が長い。
相手を「どう説得しよう。どう納得させよう」ということばかり意識がいく。
会話の全てを合理性や論理性で善悪・勝ち負けで決めたがる。

「コミュニケーションとは相手を論破するもの」ではありません。

会話における冷静さ・落ち着きこそが、相手に心の余裕として伝わり「この人は優秀そう」というイメージを与えます。

優秀な人・有能な人の性格が優しく・謙虚である理由

コミュニケーションにおいて【ねじ伏せるのではなく相手と会話すること】は成果を出す上で重要な要素の1つです。

どれほど優れた人も「周囲の環境」に恵まれていなければ結果を出すことは難しいからです。

優秀な人は他人と勝ち負けは競っても何も得るものがない事を知っている

思考とは”連想ゲーム”であり、0から1を生むのは、1を10にすることよりも難しいことです。人と会話したり、SNSで交流する機会が増えるほど、きっかけを得やすくなります。

あなたも以下のような気づきの瞬間がこれまであったのではないでしょうか?

  • 些細な雑談の際に、「はっ」となる気付きを得たこと。
  • 自分では出来ていると思っていた事が、周囲から「できていないよ」といわれたこと。
  • 自分に対して、親身に相談・指導をしてくれる存在がいたこと。

それは本を読んだり、WEBサイトを見たり、街を歩いている時であるかもしれません。

そういった天啓はアクティブに動くことで始めて得られるものです。もちろん行動した半分以上が空振りに終わることが多いです。しかし、人との出会い・情報との出会い・気付きとの出会いなんて狙って出来るものではありません。

優秀な人ほど「とりあえず」という心を軽く持つことを意識しています。

  • 飲み会面倒くさいけど、上司や先輩と仲良くなっておけば、助けてくれるから行こう。
  • 自分にとって全く興味ないけど、何が起こるからわからないから、誘われたら行こう。
  • 損もないし、自分から挨拶をしたり、話しかけるようにしよう。

優秀な人は、コミュニケーションで勝ちに行くのは、指示をする時やプレゼンをする時だけです。自分の意見を曲げてはいけない時以外は、優秀な人・有能な人は、ユーモアを大切にし、誰に対しても優しく、謙虚でいる”味方を増やすコミュニケーション”を大切にしています。

周りから優秀・有能だねといってもらえる時の職場環境

これまで自分が輝いていた時を思い浮かべてください。

あなたの周りは味方ばかりだったのではないでしょうか?

家族・友達・先輩・後輩・先生・上司。

あなたに対して理解をしてくれ、厳しい事を愛を持って指摘し、失敗しても応援し続け、手助けしてくれたからこそ、努力を継続でき、壁にぶつかってもめげず、成功を共に喜び、課題を面白いと感じ、試行錯誤を続けたからこそ、成果を手にすることができたはずです。

だからこそ、優秀な人は周囲の人との関わりを大切にし、環境を整える事を意識しています。

  • 自分が話す時間よりも、相手が話す時間を増やそうとしてみる。
  • 相手を批判するのではなく、相手の考えを理解しようとしてみる。
  • 自分から話しかけ、積極的にコミュニケーションを取ってみる。
  • 相手の悪い部分よりも、良い部分を見つけようとしてみる。
  • 指示や指導ではなく、お願いとして相手に頼むようにしてみる。

ギブ&テイクは、Give(与える)ことで始まります。

”自分の潜在能力を120%発揮できる環境を自ら作り上げる意識”を持つ事が大切です。

ID概念名コミュニケーションの内容環境の変化
6自発的コミュニケーション挨拶や雑談などを自ら積極的に話しかけている。どんなに怖い上司にもお願いができるようになる。
7受動的コミュニケーション自分ではなく相手の話す時間を増やすことをを意識している。困っている時、親身になってサポートしてくれるようになる。
8発展的コミュニケーション相槌や質問・共感など、相手の話を盛り上げられる。先輩や後輩、同僚から信頼・愛着を持ってもらえるようになる。
9共感的コミュニケーションどんなテーマでも興味や関心を持つようにしている。相手と雑談する機会が増え気付きやノウハウ、コツを教えてもらえる。
10協力的コミュニケーション相手が話しやすい空気を作ることを意識している。どんな性格や立場の人であっても、親密な関係を作ることが出来る。

上手くいく時の表現として「良い流れだ・風がきている」という言葉があります。

実際に全力で努力するのは、そういった場が整った瞬間だけで良いです。

風を待つのではなく、その風を引き寄せる準備をどれだけできたか?が努力に対する見返りとしての成果を決定付けます。

「頑張っても上手くいかない。何から努力していいかわからない。」という方は「SNSで似たような悩み・関心を持つ人と関わってみる。職場の良い人と良い関係を築く。」という環境を整えることから始めてみましょう。

おすすめ

自分のスキルや知識を学んでも中々成果につながることはなく、日常の会話を変えるだけでびっくりするほど上手くいくようになるということのほうが多いです。自分が自分が!となるのではなく、物事の見る基準を自分から相手視点に変えることはとても重要なことです。

もし時間があるのであれば、以下の検定の勉強をしてみてはいかがでしょうか?

>>苦手な上司・部下の理由と解決策がわかる!伝え方コミュニケーション検定

3.優秀・有能な新人・若手社員の特徴

では次に【優秀な新人の特徴】について考えて見ましょう。

仕事の飲み込みや覚えが早く、周囲から「あの子はすぐに伸びる」・「仕事を教えてあげたくなる」と目にかけてもらえる人材とはどのような人なのでしょうか?

優秀・有能な新人(若手)の考え方の特徴

「水を運ぶ」という誰もが簡単に出来る単純作業で考えて見ましょう。

物覚えの早い優秀なアルバイトはどんな作業であろうとも創意工夫を欠かしません。

  1. 店長や先輩に指示されてから水を運ぶのは、作業導線がぐちゃぐちゃになり非効率だ。
  2. 作業導線を効率化するためには、指示される前にやっておけばいい
  3. 入店音がした時点で水を取りに行く作業導線を作る。
  4. 他の作業をするついでにテーブルを見回り、おかわりをしておけば指示されなくなる。

すぐ伸びる人の共通点として「普段どんな指示を先輩や上司は自分にしてくるのか」という周囲のメンバーの行動パターンを覚え、【指示される前に動くこと】を意識していることが挙げられます。

頭の回転が速い・論理的であれば優秀な人材であるとは限らない

しかし、ビジネスで重要といわれる「合理性」・「論理性」には注意しなければいけません。学問としての正解が、現実でも正解であるとは限らないからです。

「○○の作業を誰かに頼む」という指示の例で考えて見ましょう。

あなたが職場の中で一番能力が高いが、入社間もない状況であった時、あなたに任せるという”最適解”を上司は決定することは出来ません。

「あなたに○○の業務を任せたいが、その指示を出せば職場の人間関係で□□の問題が起きる。」という場合があるからです。

会社では、誰に何をさせるかという事を総合的な観点から判断し、指示や役割・業務管理をしています。

ビジネスでは正論が正しいとは限らないことを理解しておく事が重要です。

優秀な新人・若手に求める”素直かつ主体性である”2つの考え方

高学歴であったり、能動的な人ほど、合理性や論理性という正論・持論を主張したがる傾向にあります。

  • 私の考えは間違っていますか?
  • こうした方が合理的であるとは思いませんか?
  • それには根拠がありますか?

頭の良い人ほど、会社や職場のやり方に対して「これはやめたほうがいい」・「こうした方がいい」などの不満を持つ傾向にあります。

仕事とは自分自身ではなく、相手の望みを叶えるためにするものです。

会社や上司、先輩たちからしてみれば「その頭の賢さを仕事に活かす」のであれば大歓迎ですが、自分たちへの不満として使われれば「頭は賢いが使いにくい奴」になります。

主体性・積極性の方向性を見誤ると、その能力の高さは会社にとって毒になってしまいます。

優秀な新人・若手だけができる”賢さと素直さの両立”

賢く、謙虚に物事を考えられる人とは、以下のことを考えられる人の事を指します。

  • 指示されるということは【自分と上司の考えの間にズレが生じている】かもしれない。
  • 指導されるということは【自分のやり方は上司が求めるものではない】のかもしれない。
  • 結果が出ないということは【自分が正しいと思うこと】が間違っているかもしれない。
  • 意見がぶつかるということは【自分の表現や伝え方】が間違っているのかもしれない。

これが”他責の思考””自責の思考”との違いです。

ID概念名自分の仕事上の癖・傾向分析客観的に自分を見ることの一例
11自己認識自分は○○において□□をしてしまう事が多い。自分が無意識にしてしまう癖は人に言われないと気付けない。
12習慣認識○○と考えがち・△△しがちと言われる事が多い。無意識にしていることを指摘されるとイラッとなるけど受け入れよう。
13原因認識それは今まで○○であるべきと思い込んでいたからだ。これまでこれが正しいと思ってきたが、上手くいかなかったことは事実だ。
14傾向認識○○を意識して生活しないとこの癖は治らない。今の現実を受け入れ、相手が間違っているよりも自分が間違っていると考えよう。
15修正認識先輩に定期的に最近○○していると思いますか?と聞く。自分は出来ているではなく、相手から見て出来ているとなるまで意識し続けよう。

ビジネスでは、上司や同僚、後輩や顧客という相手が存在し、自分の理想を押し付けても上手く事は進みません。

制約条件の中から最高の妥協案を考える力こそがビジネスで求められる論理性・合理性です。

主張が強く職場の和を乱す奴、能力は高いがコミュニケーションができない奴、向上心がある無能という評価をされてしまわないためにも、相手視線での優秀さ・有能さとは何かを考える事が大切です。

4.優秀・有能な部下(後輩)の仕事の進め方

”仕事は段取り(準備)が8割”といわれています。

あなたも、新人の仕事への取り組み姿勢を見ていれば「まぁあのミスをするよね」とか作業の途中で質問に来たとき、「そろそろ来るかなと思っていたよ」といったように、結果がどうなるかは大体予想が付くのではないでしょうか?

優秀な人・有能な人材の”作業に移る前の仕込み”について一緒にみていきましょう。

優秀な後輩・部下とはどのような人材か

新人研修や現場指導では以下のような内容が一般的です。

  • 作業に関する手順やマニュアルに関する説明
  • 作業の優先順位や作業目的・意義の説明
  • してはいけない操作や気をつけて欲しい禁止事項

器具やアプリの使い方、作業手順、業務の優先順位などオペレーションに関する内容が中心ですが、実際作業をしてみないと分からない場合がほとんどです。

マニュアルを読みながら作業を覚え、分からないことが出てくれば先輩に聞く。本人の学習能力や質問力・確認力に依存し、研修やOJTによって新人の仕事の質が変わるということがないのが現状です。

優秀・有能な部下・後輩の仕事の進め方の特徴

では、研修や指導として何を教えるべきなのか?

それは【未来予測】をしながら仕事をするという考え方の指導です。

いざ仕事が始まると悩み事が合っても手を動かさないといけない、先輩や上司も自分の仕事があり、質問がしにくい。周りの作業のやり方を真似ながら何とか仕事を覚えていかないといけない。

そのような状況下で最も求められるのが【調べ物や質問、相談ができる時間を見つける力】です。

隙間時間を見つけ、以下の事ができるかどうかでこれからの作業の質が決まります。

  • 「次は○○の作業をできるようになってくれ。」と次にどんな指導をされるか予測する。
  • その仕事の手順ややり方を同僚や先輩社員のやり方を観察し、予習しておく。
  • 先輩の手が空いた時を見逃さず、質問し、よくわからなかった部分を解消しておく。
  • 空いている時間があれば、業務マニュアルなどを読み、知らない業務の予習をしておく。

質問や相談、調べものが出来るタイミングを見逃さず、アクションを起こすことの大切さを教えることこそが、新人教育で教えるべき内容になります。

有能な部下・後輩であるかどうかは準備の質をみればすぐに分かる

準備の大切さはビジネスだけでなく、野球やサッカーなどのスポーツでもよく言われることであり、勝敗を決めるのは「選手のメンタル状態」・「戦術の熟練度」・「個人技の精度」といったこれまでの練習の積み重ねであり、試合中の采配の影響なんて微々たる物でしかありません。

本当に優秀・有能な人材は結果ではなくプロセスを重視する理由

成果が出せている(稼げている)人は、上手くいった・上手くいかなかったという結果に一喜一憂しません。

上手くいけば「読みどおりだ」と思うだけで、上手くいかなかった場合も、落ち込まず「それは考えていなかった。勉強になったな。」と次の行動にその学びを活かします。

もちろん上司や先輩には謝りますが、必要以上に落ち込みません。仕事の見通しが立てられてさえいれば、今の結果は悪くてもそのうち結果が伴ってくると確信できているからです。

有能な人材が必ず行う作業予測

  • この業務をする時、失敗するとしたらこのような失敗だな。
  • この業務をこのまま進めれば、多分こういった展開になると思う。
  • この業務を今のペースで進めれば、時間はこれくらいかかると思う。
  • 今の自分の実力では、こういった課題が出てきそう。

努力とは【必要であるからするもの】であり、【必要でなければやらなくていいもの】です。

「こうなるとやばいからこれをできるようにしておこう。」というのが努力の正しいあり方です。どの努力をすべきかは未来の予測を立てないことには見えてきません。

上司や先輩から優秀・有能な部下だと評価される5つの作業予測力

NO概念名作業をしながら思考すべき内容作業の合間にすべき行動
16質問の探索作業をし始めたら、どんな部分でつまづくだろうか。時間を見つけて、先輩に○○の質問をしておきたい。
17確認の探索先輩と自分との間に理解や思い込みがきっとあると思う。○○とも考えられるので、先輩に○○の確認をしておきたい。
18指示の予測多分、先輩はこういう指示を自分にしてくると思う。○○の指示をされそうだから、隙間時間に仕込みをしておきたい。
19答えの模索もしこうなればAをすべきで、こうなればBをすべきだな。作業をしながら、パターン毎にどんな対応をすべきかを考えておこう。
20作業の準備○○の作業の前に○○を調べたり、□□を用意しておきたい。○○の作業と□□の作業の間に、時間が出来るからその時にやろう。

最初は以下のように、準備が空振りに終わることの方が多いです。

  • ここが重要だと思って取り組んだが、あまり関係なかった。
  • 前もって調べ物をしたり、練習をしたが、そんな展開にならなかった。
  • 効段取りを自分なりにしてみたが、全く的外れであった。

上記のように”自分の予測”と”実際の結果”にギャップが生まれるほど【自分に足りない事が何か】を知ることができます。

どの努力をやればいいかさえ分かれば、誰でも成果を変える事ができます。

「指示されてから動き始める人」と「指示される前に十分に考えていた人」との間に作業の質に差が出るのは当然のことだといえるでしょう。

おすすめ

早く思考できれば出来るほど時間に余裕が生まれるので、優秀さ・有能さは思考スピードの違いでどうしても差が生まれます。 一般社団法人日本速脳速読協会が提供する【速読解Biz】というアプリで不必要な情報の取捨選択・情報処理能力のトレーニングができます。

自宅でできるリモート学習なので、スキルアップを考えている方は一度ご覧になってみてください。

5.自分を優秀だと思っている人にならないように心がけるべきこと

仕事をしていく内に「成功体験」と「失敗体験」の2つの経験値が増えていきます。

経験豊富であればあるほど、固定観念や先入観、思い込みというバイアスが強くなり”状況に応じた柔軟な行動”を取ることが難しくなります。

【成功体験への執着】【失敗経験のトラウマ】の2つと上手く付き合うことが出来なければ、優秀な人であり続けることはできません。

自分で優秀だと思い込んでいる人にありがちな”ありがた迷惑”

プレーヤーとして多くの実績・周囲の評価を残せた人ほど、自分の業務知識・能力に対して自信を持ち、どんな時でも「こうするべきだ」と積極的にアイデアを発信し、同僚や後輩に対してアドバイスをするなど、チームの中心でいようとします。

入社当初は真面目で好感が持てる一生懸命仕事をする人であったはずが、いつの間にか「自分の事を優秀だと思い込んでいる痛い奴」と周囲の評価が一転することは珍しいことではありません。

誰もが自分なりの意図と目的を持って動いている

優秀であればあるほど、他人の仕事のやり方や考え方が目に付くようになります。

  • そのやり方より、こうした方が早い。
  • そのまま続ければ必ずミスをする。
  • その考えでは、必ずいつかこうなる。

周りの仕事のやり方を見ていれば将来どうなるのかの想像がついてしまうので、どうしても口にしたくなってしまいます。しかし、そういった言葉を口にしてしまえば、周囲から以下のような評価をうけることになります。

自分と相手の温度差のギャップ

  • 今忙しいので後でも構いませんか?
  • わかりました。そうします。(あの人がどこかいけば自分のやり方に戻すけど)
  • こういった考えでやっているんですけど、それは間違いですか?

相手の感情や状況を考えず、今自分の思いついた考えをすぐに言葉にしてしまう人というのは、成果を出すどころか相手のパフォーマンスやモチベーションを下げるだけの結果になる事が多いです。周囲から指摘されても「何か間違った事を言っていますか?」と考えてしまうので、たちが悪いです。

どんな行動や言葉も状況を読めずに発言してしまう人は、薬ではなく毒にしかなりません。

優秀だといわれるのに成果が伴わない人に共通する特徴

優秀さ・有能さとは「見る人が変われば評価が180度変わってしまうあやふやなもの」であり、状況に強く依存します。

例えば、あなたは上司Aの部下で、上司Aがいないときに、周囲の同僚や仕事が遅い先輩に対して、指示や指導を出して褒められたことがあるとしましょう。

その後以下のような言葉を上司から頂けたとします。

指示をしてくれて助かったよ。
○○さんに指導してくれたんだね。ありがとう。
みんなの動きに合わせてサポートしてくれてたらしいね。

しかし別の状況になれば、その評価は一転することも十分にありえます。

Aさんがすでに指示している。余計な事をするな。
今、忙しいんだから自分の作業に集中しろ。
よく考えてくれることは素晴らしいが、私の指示はよく聞いてくれ。

この場合、上記の行動が間違った可能性としては以下の事が考えられます。

  • 自分より強い立場の先輩がすでにその社員に対して指示を出した後である。
  • 今は作業に専念するシーンであり、まずは自分の仕事に専念すべきである。
  • 方針や連携については、作業中でなく、話し合いの場ですべきである。

チームや会社のために良かれと思ってすることは非常に前向きで良いことですがそれが「ありがた迷惑」になってはいけません。

あなたがしたい行動をするのではなくて、今チームが求めている・必要な事をする。

状況にあった行動をしなければ、これまで培った知識やスキル・経験は老害と呼ばれてしまうものになってしまうのです。

優秀でないのに優秀だといわれるのはなぜか

知識や技能、経験といったものは、目標を達成するために獲得したものであり、学んだことを発揮する事自体が目的になってはいけません。「能ある鷹は爪を隠す」という諺のように、本当に優秀な人は求められなければ、以下のように無意味に知識やスキルをひけらかしません。

  • この前本で知った知識を活用したい。言葉を使ってみたい。
  • 非効率に動いている人を見かけたら気になる。正しいやり方を言いたい。
  • 指示が的外れである時、自分が正しいと思う意見を伝えたい。

知識や技能が優れた人からしてみれば「自分の方がスキルや知識に優れているのに!なぜあいつの方が評価が高いんだ!」と思われるかもしれません。

ビジネスでは知識量よりも【使うタイミングの上手さ】が求められます。

状況に応じて”いつ何をするか”という【これまでに学んだ経験・技能・知識の活用タイミング】を考えられる人になる事が大切です。

ID概念名自己中な人にならないための5つのポイント自分の能力を活かすべき瞬間の判断
21相手の状況相手が今しなければいけないことが何か分かる。今忙しそうだから、話しかけるのはやめておこう。
22接触タイミング相手に指示・指導すべきタイミングがどこかわかる。相手に話しかけやすいのはこの時間だな。
23スタンドプレー自分の技能を発揮すべき瞬間がいつであるかわかる。ここは自分が率先して動くべき時だ。
24リーダーシップ自分が主導権を握り、リーダーシップを発揮すべき瞬間がわかる。自分の能力や知識が求められるのはいまだ。
25感情の抑制答えが分かっていても、自分が言うべきない時は黙っておける。求められない時に、でしゃばってはいけない。

優秀な人でいるためには「学んだ知識や経験・技能を軸に仕事を考える」のではなく、「状況に対してふさわしい知識・技能・経験を選択する」という心がけを意識し続ける事が大切です。

6.ビジネスで求められる優秀・有能な人材の特徴

多くの実績を出せば出すほど自分の仕事はより責任の高い、多くの人が関係する業務になり、自分1人の努力では成果が出せなくなっていきます。

売上に伸び悩む経営者や管理職のほとんどが、職場の部下・同僚に対して不満を持っています。

  • 何でこんなにやる気がないんだ。少しは自分で考えてくれ。
  • 仕事が遅い。もっと責任感を持って欲しい。
  • 能力が低すぎる。こんなメンバーでは結果を出せない。

ほとんどの会社のマネージャーは「自分はこれほど頑張っているのに、周りのメンバーに恵まれていないから結果が出せない。」という感情を持っています。

それでは成果を出し続けることは出来ません。

「こうすればこうなる」という正解が見えているのですから、自分と同じように相手を動かし【相手に自分と同じような成果を出させる】という事を目指して行動していく必要があります。

真に優秀・有能な人材の相手の行動を動かそうとする考え方

上記の話は、部下や後輩を持つ管理職になってからの話でありません。

工場であれば前工程・後工程というものがあり、アルバイトであっても他のアルバイトの動き方というものがあります。頼んでいた作業を後回しにされたり、お願いしていたことを忘れられていた時、自分の段取りが全て狂います。

優秀な人は、上司・先輩であってもお願いという形で以下のような指示をすることができます。

作業依頼この作業をしてもらえませんか?
締切依頼いつまでにしてもらえませんか?
手順変更このやり方に変えてもらえませんか?
手順追加これをするようにしてもらえませんか?
役割依頼この役割をお願いすることは出来ませんか?

相手を意図通りに動かすことができれば、どのような仕事であっても安定して成果を出し続けることが出来るようになります。

知識や技能が高いだけの作業者と優秀な人材の差

仕事をしていると様々な課題が発生します。

  • 指示をしたのにその通りにしてくれない。
  • お願いした事を後回しにされる。忘れられていた。
  • 仕事がいい加減で自分でやるしかなく、作業が終わらない。
  • 上司が現場を理解しておらず、自分たちの話を理解しない。

他にも様々な問題が出てきます。そして「○○だったら□□の成果を出せるのに!」などの後輩や同僚、先輩、上司、職場、会社に対する不満が蓄積し、「こんな環境で成果が出せるはずない」とやる気をなくすか、転職を考えることになります。

ただほとんどの場合、どこの会社に行っても、あなたが求める理想の先輩や同僚、後輩、上司に恵まれることはなく、最終的に同じ状況になる事が多いです。

なぜなら優秀な人は、どんな職場にいこうが、自分の意図通りに相手を動かすことが出来るマネジメント術を身につけているからです。

ビジネスでは相手を動かす事ができなければ優秀だとはいえない

自分の仕事がスムーズに行くように相手を動かすためのポイントは以下の5つです。

ID概念名自分のお願いを断らせない5つの観点相手に与えたい印象
26タスク理解相手の作業負荷や進捗状況を把握した上で話す。あなたの作業量・作業進捗を知った上で、今お願いをしています。
27人員状況全体の作業スケジュールや現状を把握した上で話す。お願いする相手を検討した結果、あなたにお願いすることにしました。
28能力・適正相手の能力や適正を把握した上で話す。能力や適正を考えた上で、あなたにお願いすることにしました。
29お願い要件自分が相手にしてもらいたいことを分かりやすく話す。具体的には○○の作業を、□□までにして欲しいです。
30作業進捗自分がどのようなスケジュールで作業をしているか共有する。○○のスケジュールで動いているので、よろしくお願いします。

指示や指導・お願いは、相手が「承諾・受け入れて」初めて成り立つものです。

  • 従った方が、自分に得がある。
  • 確かに、それは自分がした方がいいと思う。
  • それは職場で課題であると自分でも思う。
  • そうした支援があれば、自分でも出来る気がする。
  • うまくいくかわからないが、自分に出来ることならしたいと思う。

目上・目下に関係なく、お願いを聞いてもらう指示力に関しては以下の記事で詳しく解説しています。

能力・知識はあるけれど、周りと上手くいかず悩んでいるのであれば、是非読んで欲しい記事です。

7.結果を残し続ける優秀・有能な人材の特徴

「成果を出すこと」と「成果を出し続ける」のでは難易度が大きく変わります。

なぜなら【役職が変われば、求められる能力が大きく変わる】からです。

これまで上手くいっていたとしても業務内容が増えたり、業務内容が変われば、求められる能力や知識も当然変わります。一度上手くいったからといって新しいステージでも上手くいくとは限りません。

真の意味で優秀な人材・有能な人材とはどのような人か

1人でビジネスをしている場合でも、会社で昇進する場合でも、仕事は常に出来ない状態から始まります。

  • ビジネスが軌道に乗ったが、新しい業務が増えたので、また1から学ばないといけない。
  • 昇進し、マネジメント業務が増えた。これまでやったことのない業務だ。
  • 新しいプロジェクトを任せられたが、知識0で知識のある部下に指示をしなければいけない。

あなたが成功すればするほど、あなたがしなければいけない仕事は、経験がない・技能もない仕事も調べながらしていかなくてはいけないようになります。

様々な業務をしなくてはいけなくなり、全てを勉強している時間も、技能を磨く時間もありません。

【知識があるパートナーや部下に対して、相手の仕事をよくわからない状態で動かしていく】という方法を取らざるを得なくなります。

優秀・有能な人は周囲のメンバーを味方にかえる

ワーカーレベルであれば、知識や技能、経験が回りより優れていて「あなたがいうのなら」という能力の差によって、指示をしたり、お願いを聞かせることができました。

しかし、起業家や経営者、管理職は現場やパートナーの業務内容がまったくわかりません。そのため命令によるマネジメントができません。

残された方法はたった1つ。相手を信じて仕事を任せていくしかなくなります。

そこで求められる力が【周囲の人たちをファンに変えていくスキル】になります。

  • こいつは仕事に一生懸命で、自分にできる限りの協力をしてあげたい。
  • この人は仲間思いで、この人が考えるアイデアなら絶対に自分は協力する。
  • この人には、不満も批判も素直に出来るし、それをすればより良いようにしてくれる。

優秀・有能な人材だけが持つマネジメント力とは

人は「合理的な判断で動くという部分」と「好みや価値観といった感情で動く部分」という相反する感情の総合判断によって行動を決定しています。

マネジメントに関して、様々な書籍やWEB記事、動画が世の中には存在します。

様々な理論やノウハウが紹介されていますが、大事なのは小手先のテクニックに頼るのではなく、相手の行動の変化を観察することです。

この人にこういった言葉で指示をすれば、快く承諾してくれた。
この人にはこういった振舞いで接すると警戒されなかった。
この人はこういうポイントを褒めれば、モチベーションが上がる。
この人はこういう言葉で頼み事をすれば、リーダーシップを発揮する。
この人はこのやり方で指導をすれば、反発せず、従ってくれる。

マネジメントで大事なのは、「自分が何をしたか?」ではなく「相手がどう変わったか」の変化です。

”日々の些細な変化を感じ取る観察眼”がなければ、どのマネジメントが良かったかを知る事が出来ません。

NO概念名人間観察における5つの視点相手に合わせたマネジメント
31誇り・プライド相手が譲れない・こだわっていることがなにかわかる。この相手に対しては○○の話し方をしよう。
32承認欲求相手が褒められたい・評価されたいことがなにかわかる。この相手には○○の事を評価したり、頼ると喜ぶ。
33努力・進捗相手が現在目標とし、努力していることがわかる。この相手には○○の話題をすると話が盛り上がる。
34トラウマ・苦手相手が避けたい・話題を避ける内容がなにかわかる。この相手は○○の話をすると耳を傾けなくなる。
35妥協点相手が妥協できる話の落としどころがわかる。この相手には○○をお願いすると妥協してくれる。

経営学は応用心理学の1つであり、マネジメントは組織行動論・行動心理学に属します。

行動の裏側に隠されている心理を理解することなしに、ビジネスでの理論・ノウハウだけを学んでも本質は理解することは出来ません。

相手の隠されている意図を読み取るという訓練がマネジメント力向上への近道です。

おすすめ

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個人でビジネススキルを学べるというスクールはまだ少ないので、キャリアアップを考えている方や転職・起業・独立・フリーランサーになりたいという方にはおすすめです。

8.優秀な人がこだわっている仕事の終わらせ方の特徴

仕事は頭と尻をしっかりと抑える事が大切で、最後の仕上げがとても重要になります。

最後まできっちりとできなければ、事前準備と作業をどれだけ丁寧にやっていても、最大効果を得ることは出来ません。

優秀な人が褒め上手であることが多い理由

人間が一番影響を受けるもの。

それは「褒められた・怒られた・失敗した・上手くいった。」という行動から生まれる感情です。

「次はもっと頑張る」となるのか「次はそこそこで済まそう」のどちらになるかは、今回の行動の評価で決定されます。

人は”論理”ではなく”感情”で動く

例えば、あなたが一生懸命仕事をしたとしましょう。

それが失敗に終わろうが、必ずそこには学びがあります。

  • 上手くいかなかったが、この取り組み自体は面白いと感じた。
  • 上手くいかなかったが、こんな反応が返ってきたのが新鮮だった。
  • 上手くいかなかったが、やっぱり駄目だと納得できたのでよかった。

他にも失敗から得られることは非常に多いです。

失敗は成功の母というように、10の成功より100の失敗をした方が、10年とかの単位で見たとき、成長の速度は速いです。

しかし、9割以上に人は、上記のようにプラス思考・向上心を持って動いているわけではありません。というかほとんどの場合、「頑張ったけどこうだったから」だとか「やっぱり自分の力では」といったように、努力を継続しないで済む理由を探しています。

そうしたマイナスの感情をもたせないために「行動した後のフォロー」が何よりも大切になってきます。

優秀な人が身につけている”褒める技術”

褒める・叱るという技術は相手の感情をコントロールする上で、履修必須科目といえるほど重要なものになります。

褒めるという行動は、失敗・成功に関わらず「これまでもその行動を継続してもらいたい」という時に使います。

今回、前に行っていた○○をしてくれたね。ありがとう。これからも頼むよ。
今回、上手くはいかなかったが、○○をしてくれてたね。結果は後でついてくるから、これからも頑張って欲しい。
○○してくれたこと本当に助かったよ。本当にAさんは、○○で助かっているよ。

本来、褒めるという行動は「上手くいった。成果が出た。」時に使うものではなく、相手の行動を継続させたい時に使うもので、相手にその行動をとってほしくない場合は、「結果が良くても褒めない」という選択が重要です。

次に「叱る」という行動ですが、「相手の行動を修正・禁止したい場合」に以下のように使います。

結果は出ているけど、○○になりかねない。僕としてはその行動は避けて欲しいな。
良かれと思ってしているのは十分分かっているけど、○○さんを守るためにもそれはやめて欲しい。
○○のやり方があっているとAさんは感じていると思う。しかし、こういった意図もあるので協力してくれないかな。

叱る時のポイントは、相手の人格・価値観を否定する人格否定ではなく、行動を否定する部分否定を強調することです。

「自分は相手の人格を好んでいて、職場の上司・先輩として叱っているだけに過ぎない。本来の自分はあなたを応援しているし、求めるサポートをしてあげたいと思っている。」

上記の前提があった上で叱らないと「愛の鞭」ではなく、パワハラになってしまうので注意が必要です。

優秀な人に共通する5つの褒め方

現場でのマネジメントの9割は「人間関係が占めている」といっても過言ではないと思います。

「○○の指示出したいけど、反発するだろうなぁ」だとか「○○の指導をしたらいやな顔するだろうなぁ」とほとんどの場合、正解が分かっていたとしても、それができないことがほとんどです。

社会人なんて正解が見えていても、それを選ぶことができず「誰かが変えてくれるのを待つか、緩やかな滅びを受け入れる」場合がほとんどです。本当に無能な人なんて実際はほぼいません。頭で考えている事を実行できないでいるだけです。

そこで大事なのはカリスマを身に付けることでも、圧倒的な知識・実績を積み上げることでもありません。

ただ相手を褒め、評価し、愛を持って叱るだけです。その例が以下になります。

項目概念例相手の未来の行動を変える5つの褒める技術相手に次の行動
36感想自分がどれほど助かったかを伝える。自分の行動は相手のためになったという自信になる。
37結果相手の行動で未来がどのように変わったかを伝える。相手が自分は必要とされていると認識する。
38学習成功・失敗に関係なく、行動によって得られた事を共有する。次はこうしてみようと改善の意識が働く。
39課題今回こういうことを自分が感じ、これに取り組もうよと誘う。相手も同じ課題に取り組もうと動機付けられる。
40依頼これからもこういうことをお願いしたいですと頼る。次も助けてあげようと強く動機付けられる。

基本的に、1回目の行動より、2回目の行動の方が、成果は上がりやすいです。

なぜなら、1回目の行動が次につながるからです。

PDCAサイクルは、何周も回す事が大事なのであり、1回転だけのPDCAならやらないのと変わらないレベルです。

1回やってみる、わかったことがある、修正する、更に気付きを得る。よりブラッシュアップする。1回目より2回目。2回目より3回目。同じ行動をただ繰り返すのではなく、改良することが仕事では重要です。

それを成すのが褒める力です。

詳しくはこちらの記事

以下の記事では、指示・指導・お願いをする力について詳しく解説しています。

たった1日働いただけで、先輩や上司が「この子はいい子だ助けてあげたい」や後輩や同僚が「こいつの指示や指導なら聞きたい。この人についていきたい。」と思ってもらえるために非常に重要なスキルです。

まとめ:優秀な人になるための方法とその手順

ここまでで優秀な人の40の特徴についてご紹介してきました。

「人がこの人は優秀だ。・有能だ。」と評価するのは様々な軸があって、どのようなシーンであるかによって求められる能力・行動は変化することをご理解いただけたのではないでしょうか?

優秀な人・有能な人になるためには

この記事でご紹介した40の特徴はあらゆるシーン・あらゆるキャリアで活躍するための特徴まとめであり、全ての能力を習得する必要はありません。

大事なのは「今の自分にはどのような課題があって、それを解決するための能力はどのようなもので、その能力を身に付けるためのトレーニング」を知ることです。

しつこいようですが、全ての知識・技能・経験は、必要とされるから習得すべきものであって、不必要な知識や技能を一生懸命学んでも成果にはつながりません。

最短・最小経路で優秀な人になる方法

最短で今必要とされる考え方を身に付け、必要とされるスキルを習得するには、以下の手順でトレーニングプランを立てる事が必要になります。

  1. 自分がこれから取り組むべき解決課題は何であるかを特定する。
  2. その課題を解決するための能力・考え方は何であるかを知る。
  3. その考え方・能力を身に付けるためのトレーニング方法を学ぶ。
  4. トレーニングを実行し、振り返り、改良・改善を進める。

口で言うのは簡単ですが、実際には以下の問題が出てきます。

  • ふわっとした目標は立てられるが、具体的にどうしたいかのビジョンがない。
  • 一言でこれが課題だと決めることが難しい。
  • ビジネスの知識がなく、どういった解決法があるかを知らない。

このようにこれまでの経験・知識の差によって、選べる選択肢が違ってしまうのが、優秀な人とそうでない人の差を生む原因になっています。

しかし、知識・経験の差が効率的な努力を阻害する要因であるのなら、そこを埋めてしまえばいいだけの話です。

優秀な人の思考が身に付くエクセルシートでは、以下の内容となっています。

  1. 全80種類の課題テキストから自分の状況に合った課題を選ぶ。
  2. 選択した課題の解決方法を80テキストの中から選ぶ。
  3. 解決取り組みの進捗把握をサンプルテキストを参考にモニタリングする。
  4. サンプルテキストを参考に、今回の行動を次回の行動に活かす。

このエクセルテンプレートでは、自分で課題を記入するということは一切なく、全て用意されたテキストから選択するという形式になっています。

ガイドに従って進めれば、どのようなことに取り組むべきなのかが見つけられるようになっているので、是非ご活用ください。

まとめ

何を持って優秀な人かどうかは、状況が変われば当然変化します。優秀な人かどうかは自分ではなく、相手が評価するものであるからです。

自分は仕事が早い・技能が優れていると思っていても、それは1人の作業員としての凄さであって、上司や先輩には「仕事が早いだけの使いにくい奴」と思われているかもしれません。1人で出来ることはたかが知れています。

ビジネスでは、会社や職場の売上向上やコスト削減に貢献できるかどうかが優秀さ・有能さを測る軸になります。

そのためいくら知識や技能が合っても、職場の風紀を乱したり、周りのメンバーのモチベーションを下げる人はいらないのです。

逆に知識や技能はそれほどでも、周囲を上手くまとめ、仕事の出来る部下や後輩を活かし、職場の売上を大きく変えたり、大きなプロジェクトのマネジメント経験のある人は、転職市場で引く手数多なのはそのためです。

自分が頑張って能力を磨くより、上司や先輩、同僚、後輩と上手く連携するスキルを磨いた方が手っ取り早く成果がでます。

ビジネスマンとして求められるスキルとは一体何であるのか?

それを考えるきっかけにつながれば幸いです。

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