あなたは「優秀な人とはどのような人」だと思いますか?
優秀な人とは?
- 高い営業成績を出している人?
- 作業能力に優れている人?
- 専門知識や経験豊富な人?
- 高い役職についている人?
- 要領の良い人?
- 周囲の評価が高い人?
上記の質問を投げかけた時、以下のような返答がくれば、あなたはどう思いますか?
上記の質問に対する批判
- ただプレーヤーとして使える人なだけでは?
- ただワーカーとして使える奴なだけでしょ。
- 頭でっかちで柔軟に対応できないこと多いよね。
- 役職=能力とはならないのが難しいところだよね。
- 人事評価が高いだけで、現場では使えないんだよなぁ・・・。
- 良い人ではあるんだけどね。リーダーとしては頼りない・・・。
人の評価軸とは様々で、評価する人や環境、条件が変われば、優秀な人であるかどうかの評価は一変します。
例え、優秀な人といわれていても、昇進をしたり、職場・業務内容が変われば評価は変わるかもしれません。
結論からいうと「優秀な人とは周りから求められることを満たし続けられる人」の事を言います。
この記事では【真の優秀さとは一体何であるのか?どのようなスキルなのか?具体的にどのような行動や考え方をとればいいのか?】についてお伝えしています。
この記事の要約
- 【人物像】優秀な人とはどのような人か?
- 【能力・スキル】有能な人に共通する40の特徴
- 【トレーニング】優秀な人・有能な人になるための方法
是非最後までご覧になってみてください。
目次[非表示]
1.優秀な人と優秀でない人との違いどこにあるのか?

「優秀な人・有能な人」と「優秀じゃない人」かどうかは「能力がある」とか、「学歴がある」とか、「知識や経験が豊富」といった能力面の差ではなく、周囲が求める結果を出せたかどうかです。
優秀(有能)そうな人と実際に優秀(有能)な人との差
では実際に2つの例を見て見比べてみましょう。
ずば抜けて優秀な人の特徴
以下の表は「真の意味で優秀な人が生み出す結果」です。
シーン | 優秀な人が生み出す結果 |
---|---|
受験 | 勉強時間が少ないのにすぐに点数が上がる。 |
アルバイト | すぐに仕事を覚える。ミスをしない。 |
スポーツ | 練習に取り組めばすぐに上達する。 |
恋愛 | 会話を盛り上げることができ、異性と仲良くなれる。 |
仕事 | 突出する成果を出し、周りから一目置かれる。 |
ずば抜けて優秀(実際に結果が出せる)な人というのは、誰もが納得する結果を出します。
だから人によって評価のブレがありません。
優秀・有能でない人の特徴
以下の表の右上の項目の違いを見てください。
上記の表の項目が【結果】であったのに対し、以下の表の項目は【行動】に変えているのがわかるでしょうか?
シーン | 優秀・有能とはいえない人の行動 |
---|---|
受験 | ひたすら問題集を解く。暗記する。何度も繰り返す。 |
アルバイト | 目の前にある仕事を終わらせる。今まで通りの動き方を守る。 |
スポーツ | 何度も同じ練習を繰り返し、出来るまで一生懸命頑張る。 |
恋愛 | 自分の話を一生懸命頑張って話す。 |
仕事 | 今の自分が出来る範囲で一生懸命努力する。 |
優秀な人は結果にこだわることに対し、優秀でない人は行動にこだわります。
結果ではなく、努力した内容について他人から評価を得ようとします。
「どうしたら結果を変える事ができるんだろう?」という思考ではなく、「これだけ頑張っているんだから評価してよ」という”姿勢の違い”こそが優秀な人とそうでない人との決定的な違いであるということが出来ます。
【結果を出そうとする人】と【周りから許しを求める人】の違い
努力をしていても報われないことは非常に多いです。
- 同じように仕事して、同じ時間努力しているのに差が出る。
- 優秀さとは、単なる能力や知識、経験の差では説明できない。
- その差はセンスや才能というものではないのか?
しかし「あいつは頑張っている」と評価するのは上司や先輩、同僚などの他人です。
「僕はこんなに頑張っているんだよ?」とアピールしてはいけません。
それをしてしまえば、結果を出すことではなく、努力をすること自体が目的になってしまうからです。
優秀な人とそうでない人の差を生む”思考の主体性”
「今結果が出ていない」かどうかは優秀な人かどうかを決める決定的な要因にはなりません。
大事なのは「将来の結果を変えるための取り組みができているかどうか」です。
あなたに後輩や部下がいて、以下のような行動をとっていればどう思うでしょうか?
シーン | 結果を変えるためのアクション |
---|---|
受験 | 自分が解けない問題だけ・テストに出やすい問題を集中的にやるべき。 |
アルバイト | あの人がその仕事をしているなら、自分は別の仕事を探すべき。 |
スポーツ | 自分がしたいプレー・苦手なプレーを意識して練習しなければ上達しない。 |
恋愛 | 相手がいることなんだから、好みや反応が違うのは当然。 |
仕事 | 仕事は、上司や先輩、顧客に合わせて自分の行動を変えなければいけない。 |
ほとんどの人が「こいつは放っておいてもそのうち結果がついてくる」と判断するはずです。
なぜなら自分で課題を自覚し、そのための改善行動をするという思考の自主性があるからです。
改善思考が出来ている例
例えば、メジャーリーグの大谷君のように速い球を投げたい時、一番大事なのは必要な努力のみを集中して行うことです。
- 速い球を投げるために必要な要素を片っ端に考えてみる。
- その中から自分が出来ている・出来ていない事を○・×をつける。
- 自分が出来ていないことをできるようにする練習方法を調べる。
- その練習方法がきちんとできているか監督や先輩にみてもらう。
- 1週間ほど練習したら、必ず動画や球速測定をし、結果を振り返る。
ただ投げ込みをしても、根本的な問題の解決にはなりません。自分に必要な練習メニューだけをやれば、短期間で効率的に成長出来ます。上司や監督が変われば、「あいつ急に伸びたよな」と短期間で急成長する人が出てくるのはこういった理由です。
優秀な人であるかすぐに見分けられる5つの質問
「優秀な人」か「そうでないか」は”課題をどのように認識しているかどうか”をみればすぐにわかります。
別に今、知識がある・スキルがある・経験年数が長いかは差ほど重要ではありません。
遅かれ早かれ、そのような差はすぐに埋まってしまうからです。
優秀な人かどうかを見分ける質問としては以下の5つです。
優秀・有能さに関する5つの質問
- あなたは、今の職場においてどのような役割を求められていると思いますか?
- あなたは、上司や先輩はあなたに対し、何を求めていると思いますか?
- 上記を満たすために、今あなたは、どのような目標や課題を掲げていますか?
- 上記の目標や課題を達成するために、どのようなことを意識して仕事をしていますか?
- そのような意識を持って仕事をする中で、こだわっているポイントはどこですか?
上記の質問の意図としては以下の通りです。
NO | 概念名 | 優秀な人になるために必要な5つの思考 | その思考により設定できる目標 |
---|---|---|---|
1 | 状況整理 | 自分の知識・技能・経験レベルを自覚し、客観的に自分を分析できる。 | 設定する目標が現実的で段階を踏んだものになる。 |
2 | 状況把握 | 恋人や先生、上司・先輩が自分に求めてる事が何かがわかる。 | 相手が求めるニーズが分かり目指すべき目標が決まる。 |
3 | 課題設定 | 相手は自分に対して、どのような評価をしているのかがわかる。 | 相手の評価を通して、自分が解決すべき課題が見える。 |
4 | 遂行目標 | 将来的に自分がどう変われば上手くいくかがイメージできている。 | 今の自分と理想の自分の差はどこにあるのかを特定できる。 |
5 | 習得目標 | そのためには、どのような練習をすれば効率がいいのかがわかる。 | 目標達成のために取り組む練習ポイントが見える。 |
簡単にいえば「①:職場の中での自分の立ち位置を客観的に把握」できて、「②:上司や先輩が自分に求める・期待していること」がなんとなくわかって、そのために「③:自分が目指すべき目標や課題を適切に設定」でき、「④:目標・課題意識」を持って仕事に取り組み、「⑤:こだわり」を持って仕事に取り組んでいる。
もし上記の5つ全てにあてはまれば、今結果が出ていなかったとしても、近い将来必ず「この人ならば良い結果がついてくる」と思います。
この「思考の主体性」こそが優秀な人とそうでない人の一番の違いといえます。
2.「この人有能そう」と思われる優秀な人のオーラとは

優秀な人・有能な人は自信や自己肯定感に満ち溢れています。
これまでの人生で培われた成功体験からくる自信が立ち振る舞いや姿勢という形で表れます。
それが「できる人オーラ」・「優秀そうな雰囲気・空気感」の正体です。
優秀な人のオーラの正体である内面から滲み出る”精神的な余裕”
優秀な人の【性格や人柄・雰囲気】とは、どのようなものをあなたは連想するでしょうか?
「優秀な人は謙虚で優しい」・「ユーモアがありフレンドリー」・「思いやり・気遣いが出来る」
優秀な人の特徴が似通ってくるのは「そうした方が得だから」という明確な根拠があるからです。
優秀な人の雰囲気が落ち着いてるのは”精神的な余裕がある”から
あなたは小学生と話す時、緊張するでしょうか?
きっとないはずです。
その理由は自分が精神的に上の立場であるからで、泣かれたり、わめかれたりした時に「どうしよう」と思うことはあっても、「この子にはどう接するべきか」という上位者としての目線で接するはずです。つまり会話のイニシアチブを握っているということになります。
では仕事というシーンで考えて見ましょう。
これまで成功体験を積み重ねてきた優秀な人・有能な人というのは「成果が出ない状況」でも「上司や社長が相手」であったとしても焦ることはありません。
近い将来、自分は良い成果を出せるという精神的な余裕があるからです。
「自己肯定(効力)感が高い人、自信がある人」が優秀な人と思われがちなのはそのためです。
優秀でない人・有能でない人に常に余裕がないのはなぜか?
お金に余裕がない。人望がない。職場で評価されていない人は以下のような攻撃的なコミュニケーションをとりがちです。
コミュニケーションは常に自分本位で、聞いてもいないのにベラベラと喋ることが多いです。
相手が話している間、「どう自分が返答しようか」ということばかり考える。
言い争いをしている時、相手の話にかぶせ気味で返答してしまう。
相手が話している時間よりも、自分が話している時間が長い。
相手を「どう説得しよう。どう納得させよう」ということばかり意識がいく。
会話の全てを合理性や論理性で善悪・勝ち負けで決めたがる。
上記のようなことをしてしまう理由は「マウントを取りたいから」です。
自分に自信がない人ほど口数が多いです。相手を論破したい。相手に反論をさせたくない。だから手数を増やして圧倒したい。
攻撃的な人というのは「自分に自信がない。」あるいは「コンプレックスを抱えている」場合が非常に多いです。
優秀な人・有能な人がかもし出すオーラの正体は"受身の姿勢"にある
では自分が主導権を握っている(イニシアチブがある)時、人はどういった行動をとるのでしょうか?
それは相手の反応を見てから行動を取るです。
とりあえず、最後まで相手の話をまず聞こう。
相手は今、どのような意図を持って話しているのか理解しよう。
相手は自分に対して、どのような返答・答えを求めているのだろうか。
相手と自分の考えのギャップをどうやって埋めていこうか。
この人に対しては、こういう返し方の方がいいかもしれないな。
優秀な人・有能な人は「相手の反応を見てから行動を決める事」が出来ます。
正しい行動をとるためには「相手がどのような立場にいる」とか「相手が何を考えている」などの情報が必要不可欠です。情報が不足していれば、正しい決断を下すことができないからです。
だから人の話をよく聞いた上で決断を下すことを心がけています。
それが”受身の姿勢”に他なりません。
優秀・有能な人と思われるようなオーラ"印象"を与えるためには
会話における冷静さ・落ち着きを持つことができれば、会話の主導権”イニシアチブ”を握れるようになります。
そうなれば、プレゼンや営業の交渉において優位に立ち回れるようになります。
なぜなら「この人は優秀なのでこの人を話は聞いておいたほうがいい」と勝手に解釈するからです。
優秀な人かどうかを決めるのはどれほど準備に時間を使えているか
ではどうすれば優秀な人と周囲に思わせることができるのか?
優秀な人は無意識に以下の準備を脳内でしていることが多いです。
仕事における準備
- 「この人と次このような話をするかもしれない」というネタの仕込み
- 「営業でこういう話になるかもしれない」という想定質問の準備
- 上司や先輩は「こういうことを指示してくる」という仕事の予想
- 「来週、自分の職場ではこういう問題が起きる」という未来予測
もしも上記のような近い未来に起こるであろう予想ができていたとすれば、事前に仕込みができます。
仕事において、必ず兆候というものがあり、全てが唐突におきるものではありません。「こんなクレームが来るだろうな」とか「こんな指示をされるだろうな」、「○日はこういう動きになるだろうな」など、勘が働く人であれば近い将来の予測はある程度立てることはできます。
予想ができるということは、事前に対策を立てることができるというわけです。
つまり、優秀な人・有能な人の余裕のオーラ・落ち着きの正体は、予想にあるということができます。
「こんなトラブルが起こるだろうな」、「こんな質問をされるだろうな」、「こんな指示が来るだろうな」
上記の予想を事前に立てているからこそ、事前にその対策を考えておくことができ、その予想の内に全てが収まるからこそ、落ち着き・余裕を持って対処する事ができます。
仕事で自分が優位に立ち回るための5つの質問
優秀な人・有能な人でいるためには、情報収集をし続ける事が重要になります。
常に先回りをし、予想の範疇で物事を納めるためには、予想をするための情報が必要になります。
それができているかどうかは以下の5つの質問をすればすぐにわかります。
人望があるかどうかがわかる質問
- あなたは、困った時に頼ることの出来る人がどれだけいますか?
- コミュニケーションを取りたい時に、どれくらい気軽にいえる人がいますか?
- 相手の性格に話して、話題や話し方を変える事がでどれくらい出来ますか?
- 相手が気持ちよく話すために、どのような相槌をとればいいかわかりますか?
- 相手が話しやすい空気を作るためにどう話せばいいか困ることはないですか?
上記の質問に対する答えで、どのくらい要領よく仕事で立ち回れるかはすぐにわかります。
水商売をしている人・営業で好成績を収めている人は【相手の懐に入る】・【相手の求めることがわかる】という能力に凄く長けています。
上記の質問は以下の概念に該当します。
ID | 概念名 | コミュニケーションの内容 | 環境の変化 |
---|---|---|---|
6 | 自発的コミュニケーション | 挨拶や雑談などを自ら積極的に話しかけている。 | どんな怖い上司にもお願いができるようになる。 |
7 | 受動的コミュニケーション | 自分ではなく相手の話す時間を増やすことをを意識している。 | 困っている時、親身になってサポートしてくれるようになる。 |
8 | 発展的コミュニケーション | 相槌や質問・共感など、相手の話を盛り上げられる。 | 先輩や後輩、同僚から信頼・愛着を持ってもらえるようになる。 |
9 | 共感的コミュニケーション | どんなテーマでも興味や関心を持つようにしている。 | 相手と雑談する機会が増え気付きやノウハウ、コツを教えてもらえる。 |
10 | 協力的コミュニケーション | 相手が話しやすい空気を作ることを意識している。 | どんな性格や立場の人であっても、親密な関係を作ることが出来る。 |
相手の要望を察知できていれば、事前に準備し、会話を先回りすることができます。
つまり常に自分が主導権を握れるということになります。
自分が会話や仕事を支配している。この事が精神的な余裕となり、オーラというものに現れるというわけです。
3.優秀・有能な新人・若手社員の特徴

ここまでで「自分が結果を出すための最短距離の道筋」と「周囲の人が自分に求めること」について【察知する能力】についてお伝えしました。
「自分は何をすれば評価されるのか?」が見えている(=適切な目標設定ができた)状態であるといえます。
目標が見えていても適切な努力をできなければ成果を生み出すことはできません。
次に【優秀な新人の特徴】について考えて見ましょう。
短期間で成長をするためには、どのような能力が必要なのかが見えてきます。
優秀・有能な新人(若手)の考え方の特徴
短期間で成長する【使える人】や【物覚えのいい人】。
一体何が違うのでしょうか?
優秀・有能な人材は指導しなくても勝手に伸びる理由
ビジネスでは「PDCAを回しなさい」という言葉があります。
PDCAを短期間でより多く回せる人ほど短期間で成長する事が出来ます。
これだけではわかりにくいので、飲食店における「水を運ぶ」という誰もが簡単に出来る単純作業で考えて見ましょう。
「水を運ぶ」とシンプルな業務において優秀・有能な人材は以下の思考をします。
業務をして感じたこと
- 店長や先輩に指示されてから水を運ぶのは、作業導線がぐちゃぐちゃになり非効率だ。
- 作業導線を効率化するためには、指示される前にやっておけばいい。
- 入店音がした時点で水を取りに行く作業導線を作る。
- 他の作業をするついでにテーブルを見回り、おかわりをしておけば指示されなくなる。
すぐに伸びる優秀な人材・有能な若手とは、どんな単純な業務であろうと上記のような【疑問】と【自分なりの回答】を持ちます。
いちいち教えなくとも、「先輩や社員の人たちはどんな指示を自分にしてくるのか」という行動パターンを覚えることで【指示される前に動くこと】ができるわけです。
そういう姿を見て、1週間もたてば「こいつは仕事が出来る」と先輩方から評価されるようになります。
勝手に考え、勝手に行動し、勝手に最効率で仕事が出来るように行動をアップデートできるからです。
優秀・有能な人になるためになぜ空気を読む事が必要なのか?
上記の思考は【論理的思考能力(=合理的思考:ロジカルシンキング)】といわれるものですが、このロジカルシンキングには注意が必要です。
「○○の作業を誰かに頼む」という指示の例で考えて見ましょう。
あなたが職場の中で○○に関して一番能力が高いと上司が判断しても、「あなたにその役割・ミッションを任せる」という”最適解”を上司は必ずしも指示できるわけではないからです。
なぜなら「その指示を出せば職場の人間関係で□□の問題が起きる。」という場合があるからです。
優秀な新人・若手に求める”素直かつ主体性である”2つの考え方
高学歴であったり、能動的な人ほど、合理性や論理性という正論・持論を主張したがる傾向にあります。
- 私の考えは間違っていますか?
- こうした方が合理的であるとは思いませんか?
- それには根拠がありますか?
頭の良い人ほど、会社や職場のやり方に対して「これはやめたほうがいい」・「こうした方がいい」などの不満を持つ傾向にありますが、実際にその実現はそうたやすいことではありません。
なぜなら職場の人間関係やマニュアル・職場文化といったしがらみが存在するからです。
会社や上司、先輩たちからしてみれば「その頭の賢さを仕事に活かす」のであれば大歓迎ですが、自分たちへの不満として使われれば「頭は賢いが使いにくい奴」になります。
優秀な新人・若手だけができる”賢さと素直さの両立”
賢く、謙虚に物事を考えられる人とは、以下のことを考えられる人の事を指します。
- 指示されるということは【自分と上司の考えの間にズレが生じている】かもしれない。
- 指導されるということは【自分のやり方は上司が求めるものではない】のかもしれない。
- 結果が出ないということは【自分が正しいと思うこと】が間違っているかもしれない。
- 意見がぶつかるということは【自分の表現や伝え方】が間違っているのかもしれない。
これが”他責の思考”と”自責の思考”との違いです。
ID | 概念名 | 自分の仕事上の癖・傾向分析 | 客観的に自分を見ることの一例 |
---|---|---|---|
11 | 自己認識 | 自分は○○において□□をしてしまう事が多い。 | 自分が無意識にしてしまう癖は人に言われないと気付けない。 |
12 | 習慣認識 | ○○と考えがち・△△しがちと言われる事が多い。 | 無意識にしていることを指摘されるとイラッとなるけど受け入れよう。 |
13 | 原因認識 | それは今まで○○であるべきと思い込んでいたからだ。 | これまでこれが正しいと思ってきたが、上手くいかなかったことは事実だ。 |
14 | 傾向認識 | ○○を意識して生活しないとこの癖は治らない。 | 今の現実を受け入れ、相手が間違っているよりも自分が間違っていると考えよう。 |
15 | 修正認識 | 先輩に定期的に最近○○していると思いますか?と聞く。 | 自分は出来ているではなく、相手から見て出来ているとなるまで意識し続けよう。 |
ビジネスでは、上司や同僚、後輩や顧客という相手が存在し、自分の理想を押し付けても上手く事は進みません。
制約条件の中から最高の妥協案を考える力こそがビジネスで求められる論理性・合理性です。
主張が強く職場の和を乱す奴、能力は高いがコミュニケーションができない奴、向上心がある無能という評価をされてしまわないためにも、相手視線での優秀さ・有能さとは何かを考える事が大切です。
4.優秀・有能な部下(後輩)の仕事の進め方

”仕事は段取り(準備)が8割”といわれています。
あなたも、新人の仕事への取り組み姿勢を見ていれば「まぁあのミスをするよね」とか作業の途中で質問に来たとき、「そろそろ来るかなと思っていたよ」といったように、結果がどうなるかは大体予想が付くのではないでしょうか?
優秀な人・有能な人材の”作業に移る前の仕込み”について一緒にみていきましょう。
優秀な後輩・部下とはどのような人材か
新人研修や現場指導では以下のような内容が一般的です。
- 作業に関する手順やマニュアルに関する説明
- 作業の優先順位や作業目的・意義の説明
- してはいけない操作や気をつけて欲しい禁止事項
器具やアプリの使い方、作業手順、業務の優先順位などオペレーションに関する内容が中心ですが、実際作業をしてみないと分からない場合がほとんどです。
マニュアルを読みながら作業を覚え、分からないことが出てくれば先輩に聞く。本人の学習能力や質問力・確認力に依存し、研修やOJTによって新人の仕事の質が変わるということがないのが現状です。
優秀・有能な部下・後輩の仕事の進め方の特徴
では、研修や指導として何を教えるべきなのか?
それは【未来予測】をしながら仕事をするという考え方の指導です。
いざ仕事が始まると悩み事が合っても手を動かさないといけない、先輩や上司も自分の仕事があり、質問がしにくい。周りの作業のやり方を真似ながら何とか仕事を覚えていかないといけない。
そのような状況下で最も求められるのが【調べ物や質問、相談ができる時間を見つける力】です。
隙間時間を見つけ、以下の事ができるかどうかでこれからの作業の質が決まります。
- 「次は○○の作業をできるようになってくれ。」と次にどんな指導をされるか予測する。
- その仕事の手順ややり方を同僚や先輩社員のやり方を観察し、予習しておく。
- 先輩の手が空いた時を見逃さず、質問し、よくわからなかった部分を解消しておく。
- 空いている時間があれば、業務マニュアルなどを読み、知らない業務の予習をしておく。
質問や相談、調べものが出来るタイミングを見逃さず、アクションを起こすことの大切さを教えることこそが、新人教育で教えるべき内容になります。
有能な部下・後輩であるかどうかは準備の質をみればすぐに分かる
準備の大切さはビジネスだけでなく、野球やサッカーなどのスポーツでもよく言われることであり、勝敗を決めるのは「選手のメンタル状態」・「戦術の熟練度」・「個人技の精度」といったこれまでの練習の積み重ねであり、試合中の采配の影響なんて微々たる物でしかありません。
本当に優秀・有能な人材は結果ではなくプロセスを重視する理由
成果が出せている(稼げている)人は、上手くいった・上手くいかなかったという結果に一喜一憂しません。
上手くいけば「読みどおりだ」と思うだけで、上手くいかなかった場合も、落ち込まず「それは考えていなかった。勉強になったな。」と次の行動にその学びを活かします。
もちろん上司や先輩には謝りますが、必要以上に落ち込みません。仕事の見通しが立てられてさえいれば、今の結果は悪くてもそのうち結果が伴ってくると確信できているからです。
有能な人材が必ず行う作業予測
- この業務をする時、失敗するとしたらこのような失敗だな。
- この業務をこのまま進めれば、多分こういった展開になると思う。
- この業務を今のペースで進めれば、時間はこれくらいかかると思う。
- 今の自分の実力では、こういった課題が出てきそう。
努力とは【必要であるからするもの】であり、【必要でなければやらなくていいもの】です。
「こうなるとやばいからこれをできるようにしておこう。」というのが努力の正しいあり方です。どの努力をすべきかは未来の予測を立てないことには見えてきません。
上司や先輩から優秀・有能な部下だと評価される5つの作業予測力
NO | 概念名 | 作業をしながら思考すべき内容 | 作業の合間にすべき行動 |
---|---|---|---|
16 | 質問の探索 | 作業をし始めたら、どんな部分でつまづくだろうか。 | 時間を見つけて、先輩に○○の質問をしておきたい。 |
17 | 確認の探索 | 先輩と自分との間に理解や思い込みがきっとあると思う。 | ○○とも考えられるので、先輩に○○の確認をしておきたい。 |
18 | 指示の予測 | 多分、先輩はこういう指示を自分にしてくると思う。 | ○○の指示をされそうだから、隙間時間に仕込みをしておきたい。 |
19 | 答えの模索 | もしこうなればAをすべきで、こうなればBをすべきだな。 | 作業をしながら、パターン毎にどんな対応をすべきかを考えておこう。 |
20 | 作業の準備 | ○○の作業の前に○○を調べたり、□□を用意しておきたい。 | ○○の作業と□□の作業の間に、時間が出来るからその時にやろう。 |
最初は以下のように、準備が空振りに終わることの方が多いです。
- ここが重要だと思って取り組んだが、あまり関係なかった。
- 前もって調べ物をしたり、練習をしたが、そんな展開にならなかった。
- 効段取りを自分なりにしてみたが、全く的外れであった。
上記のように”自分の予測”と”実際の結果”にギャップが生まれるほど【自分に足りない事が何か】を知ることができます。
どの努力をやればいいかさえ分かれば、誰でも成果を変える事ができます。
「指示されてから動き始める人」と「指示される前に十分に考えていた人」との間に作業の質に差が出るのは当然のことだといえるでしょう。
おすすめ
早く思考できれば出来るほど時間に余裕が生まれるので、優秀さ・有能さは思考スピードの違いでどうしても差が生まれます。 一般社団法人日本速脳速読協会が提供する【速読解Biz】というアプリで不必要な情報の取捨選択・情報処理能力のトレーニングができます。
自宅でできるリモート学習なので、スキルアップを考えている方は一度ご覧になってみてください。
5.自分を優秀だと思っている人にならないように心がけるべきこと

仕事をしていく内に「成功体験」と「失敗体験」の2つの経験値が増えていきます。
経験豊富であればあるほど、固定観念や先入観、思い込みというバイアスが強くなり”状況に応じた柔軟な行動”を取ることが難しくなります。
【成功体験への執着】と【失敗経験のトラウマ】の2つと上手く付き合うことが出来なければ、優秀な人であり続けることはできません。
自分で優秀だと思い込んでいる人にありがちな”ありがた迷惑”
プレーヤーとして多くの実績・周囲の評価を残せた人ほど、自分の業務知識・能力に対して自信を持ち、どんな時でも「こうするべきだ」と積極的にアイデアを発信し、同僚や後輩に対してアドバイスをするなど、チームの中心でいようとします。
入社当初は真面目で好感が持てる一生懸命仕事をする人であったはずが、いつの間にか「自分の事を優秀だと思い込んでいる痛い奴」と周囲の評価が一転することは珍しいことではありません。
誰もが自分なりの意図と目的を持って動いている
優秀であればあるほど、他人の仕事のやり方や考え方が目に付くようになります。
- そのやり方より、こうした方が早い。
- そのまま続ければ必ずミスをする。
- その考えでは、必ずいつかこうなる。
周りの仕事のやり方を見ていれば将来どうなるのかの想像がついてしまうので、どうしても口にしたくなってしまいます。しかし、そういった言葉を口にしてしまえば、周囲から以下のような評価をうけることになります。
自分と相手の温度差のギャップ
- 今忙しいので後でも構いませんか?
- わかりました。そうします。(あの人がどこかいけば自分のやり方に戻すけど)
- こういった考えでやっているんですけど、それは間違いですか?
相手の感情や状況を考えず、今自分の思いついた考えをすぐに言葉にしてしまう人というのは、成果を出すどころか相手のパフォーマンスやモチベーションを下げるだけの結果になる事が多いです。周囲から指摘されても「何か間違った事を言っていますか?」と考えてしまうので、たちが悪いです。
どんな行動や言葉も状況を読めずに発言してしまう人は、薬ではなく毒にしかなりません。
優秀だといわれるのに成果が伴わない人に共通する特徴
優秀さ・有能さとは「見る人が変われば評価が180度変わってしまうあやふやなもの」であり、状況に強く依存します。
例えば、あなたは上司Aの部下で、上司Aがいないときに、周囲の同僚や仕事が遅い先輩に対して、指示や指導を出して褒められたことがあるとしましょう。
その後以下のような言葉を上司から頂けたとします。
指示をしてくれて助かったよ。
○○さんに指導してくれたんだね。ありがとう。
みんなの動きに合わせてサポートしてくれてたらしいね。
しかし別の状況になれば、その評価は一転することも十分にありえます。
Aさんがすでに指示している。余計な事をするな。
今、忙しいんだから自分の作業に集中しろ。
よく考えてくれることは素晴らしいが、私の指示はよく聞いてくれ。
この場合、上記の行動が間違った可能性としては以下の事が考えられます。
- 自分より強い立場の先輩がすでにその社員に対して指示を出した後である。
- 今は作業に専念するシーンであり、まずは自分の仕事に専念すべきである。
- 方針や連携については、作業中でなく、話し合いの場ですべきである。
チームや会社のために良かれと思ってすることは非常に前向きで良いことですがそれが「ありがた迷惑」になってはいけません。
あなたがしたい行動をするのではなくて、今チームが求めている・必要な事をする。
状況にあった行動をしなければ、これまで培った知識やスキル・経験は老害と呼ばれてしまうものになってしまうのです。
優秀でないのに優秀だといわれるのはなぜか
知識や技能、経験といったものは、目標を達成するために獲得したものであり、学んだことを発揮する事自体が目的になってはいけません。「能ある鷹は爪を隠す」という諺のように、本当に優秀な人は求められなければ、以下のように無意味に知識やスキルをひけらかしません。
- この前本で知った知識を活用したい。言葉を使ってみたい。
- 非効率に動いている人を見かけたら気になる。正しいやり方を言いたい。
- 指示が的外れである時、自分が正しいと思う意見を伝えたい。
知識や技能が優れた人からしてみれば「自分の方がスキルや知識に優れているのに!なぜあいつの方が評価が高いんだ!」と思われるかもしれません。
ビジネスでは知識量よりも【使うタイミングの上手さ】が求められます。
状況に応じて”いつ何をするか”という【これまでに学んだ経験・技能・知識の活用タイミング】を考えられる人になる事が大切です。
ID | 概念名 | 自己中な人にならないための5つのポイント | 自分の能力を活かすべき瞬間の判断 |
---|---|---|---|
21 | 相手の状況 | 相手が今しなければいけないことが何か分かる。 | 今忙しそうだから、話しかけるのはやめておこう。 |
22 | 接触タイミング | 相手に指示・指導すべきタイミングがどこかわかる。 | 相手に話しかけやすいのはこの時間だな。 |
23 | スタンドプレー | 自分の技能を発揮すべき瞬間がいつであるかわかる。 | ここは自分が率先して動くべき時だ。 |
24 | リーダーシップ | 自分が主導権を握り、リーダーシップを発揮すべき瞬間がわかる。 | 自分の能力や知識が求められるのはいまだ。 |
25 | 感情の抑制 | 答えが分かっていても、自分が言うべきない時は黙っておける。 | 求められない時に、でしゃばってはいけない。 |
優秀な人でいるためには「学んだ知識や経験・技能を軸に仕事を考える」のではなく、「状況に対してふさわしい知識・技能・経験を選択する」という心がけを意識し続ける事が大切です。
6.ビジネスで求められる優秀・有能な人材の特徴

多くの実績を出せば出すほど自分の仕事はより責任の高い、多くの人が関係する業務になり、自分1人の努力では成果が出せなくなっていきます。
売上に伸び悩む経営者や管理職のほとんどが、職場の部下・同僚に対して不満を持っています。
- 何でこんなにやる気がないんだ。少しは自分で考えてくれ。
- 仕事が遅い。もっと責任感を持って欲しい。
- 能力が低すぎる。こんなメンバーでは結果を出せない。
ほとんどの会社のマネージャーは「自分はこれほど頑張っているのに、周りのメンバーに恵まれていないから結果が出せない。」という感情を持っています。
それでは成果を出し続けることは出来ません。
「こうすればこうなる」という正解が見えているのですから、自分と同じように相手を動かし【相手に自分と同じような成果を出させる】という事を目指して行動していく必要があります。
真に優秀・有能な人材の相手の行動を動かそうとする考え方
上記の話は、部下や後輩を持つ管理職になってからの話でありません。
工場であれば前工程・後工程というものがあり、アルバイトであっても他のアルバイトの動き方というものがあります。頼んでいた作業を後回しにされたり、お願いしていたことを忘れられていた時、自分の段取りが全て狂います。
優秀な人は、上司・先輩であってもお願いという形で以下のような指示をすることができます。
作業依頼 | この作業をしてもらえませんか? |
締切依頼 | いつまでにしてもらえませんか? |
手順変更 | このやり方に変えてもらえませんか? |
手順追加 | これをするようにしてもらえませんか? |
役割依頼 | この役割をお願いすることは出来ませんか? |
相手を意図通りに動かすことができれば、どのような仕事であっても安定して成果を出し続けることが出来るようになります。
知識や技能が高いだけの作業者と優秀な人材の差
仕事をしていると様々な課題が発生します。
- 指示をしたのにその通りにしてくれない。
- お願いした事を後回しにされる。忘れられていた。
- 仕事がいい加減で自分でやるしかなく、作業が終わらない。
- 上司が現場を理解しておらず、自分たちの話を理解しない。
他にも様々な問題が出てきます。そして「○○だったら□□の成果を出せるのに!」などの後輩や同僚、先輩、上司、職場、会社に対する不満が蓄積し、「こんな環境で成果が出せるはずない」とやる気をなくすか、転職を考えることになります。
ただほとんどの場合、どこの会社に行っても、あなたが求める理想の先輩や同僚、後輩、上司に恵まれることはなく、最終的に同じ状況になる事が多いです。
なぜなら優秀な人は、どんな職場にいこうが、自分の意図通りに相手を動かすことが出来るマネジメント術を身につけているからです。
ビジネスでは相手を動かす事ができなければ優秀だとはいえない
自分の仕事がスムーズに行くように相手を動かすためのポイントは以下の5つです。
ID | 概念名 | 自分のお願いを断らせない5つの観点 | 相手に与えたい印象 |
---|---|---|---|
26 | タスク理解 | 相手の作業負荷や進捗状況を把握した上で話す。 | あなたの作業量・作業進捗を知った上で、今お願いをしています。 |
27 | 人員状況 | 全体の作業スケジュールや現状を把握した上で話す。 | お願いする相手を検討した結果、あなたにお願いすることにしました。 |
28 | 能力・適正 | 相手の能力や適正を把握した上で話す。 | 能力や適正を考えた上で、あなたにお願いすることにしました。 |
29 | お願い要件 | 自分が相手にしてもらいたいことを分かりやすく話す。 | 具体的には○○の作業を、□□までにして欲しいです。 |
30 | 作業進捗 | 自分がどのようなスケジュールで作業をしているか共有する。 | ○○のスケジュールで動いているので、よろしくお願いします。 |
指示や指導・お願いは、相手が「承諾・受け入れて」初めて成り立つものです。
- 従った方が、自分に得がある。
- 確かに、それは自分がした方がいいと思う。
- それは職場で課題であると自分でも思う。
- そうした支援があれば、自分でも出来る気がする。
- うまくいくかわからないが、自分に出来ることならしたいと思う。
目上・目下に関係なく、お願いを聞いてもらう指示力に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
能力・知識はあるけれど、周りと上手くいかず悩んでいるのであれば、是非読んで欲しい記事です。
7.結果を残し続ける優秀・有能な人材の特徴

「成果を出すこと」と「成果を出し続ける」のでは難易度が大きく変わります。
なぜなら【役職が変われば、求められる能力が大きく変わる】からです。
これまで上手くいっていたとしても業務内容が増えたり、業務内容が変われば、求められる能力や知識も当然変わります。一度上手くいったからといって新しいステージでも上手くいくとは限りません。
真の意味で優秀な人材・有能な人材とはどのような人か
1人でビジネスをしている場合でも、会社で昇進する場合でも、仕事は常に出来ない状態から始まります。
- ビジネスが軌道に乗ったが、新しい業務が増えたので、また1から学ばないといけない。
- 昇進し、マネジメント業務が増えた。これまでやったことのない業務だ。
- 新しいプロジェクトを任せられたが、知識0で知識のある部下に指示をしなければいけない。
あなたが成功すればするほど、あなたがしなければいけない仕事は、経験がない・技能もない仕事も調べながらしていかなくてはいけないようになります。
様々な業務をしなくてはいけなくなり、全てを勉強している時間も、技能を磨く時間もありません。
【知識があるパートナーや部下に対して、相手の仕事をよくわからない状態で動かしていく】という方法を取らざるを得なくなります。
優秀・有能な人は周囲のメンバーを味方にかえる
ワーカーレベルであれば、知識や技能、経験が回りより優れていて「あなたがいうのなら」という能力の差によって、指示をしたり、お願いを聞かせることができました。
しかし、起業家や経営者、管理職は現場やパートナーの業務内容がまったくわかりません。そのため命令によるマネジメントができません。
残された方法はたった1つ。相手を信じて仕事を任せていくしかなくなります。
そこで求められる力が【周囲の人たちをファンに変えていくスキル】になります。
- こいつは仕事に一生懸命で、自分にできる限りの協力をしてあげたい。
- この人は仲間思いで、この人が考えるアイデアなら絶対に自分は協力する。
- この人には、不満も批判も素直に出来るし、それをすればより良いようにしてくれる。
優秀・有能な人材だけが持つマネジメント力とは
人は「合理的な判断で動くという部分」と「好みや価値観といった感情で動く部分」という相反する感情の総合判断によって行動を決定しています。
マネジメントに関して、様々な書籍やWEB記事、動画が世の中には存在します。
様々な理論やノウハウが紹介されていますが、大事なのは小手先のテクニックに頼るのではなく、相手の行動の変化を観察することです。
この人にこういった言葉で指示をすれば、快く承諾してくれた。
この人にはこういった振舞いで接すると警戒されなかった。
この人はこういうポイントを褒めれば、モチベーションが上がる。
この人はこういう言葉で頼み事をすれば、リーダーシップを発揮する。
この人はこのやり方で指導をすれば、反発せず、従ってくれる。
マネジメントで大事なのは、「自分が何をしたか?」ではなく「相手がどう変わったか」の変化です。
”日々の些細な変化を感じ取る観察眼”がなければ、どのマネジメントが良かったかを知る事が出来ません。
NO | 概念名 | 人間観察における5つの視点 | 相手に合わせたマネジメント |
---|---|---|---|
31 | 誇り・プライド | 相手が譲れない・こだわっていることがなにかわかる。 | この相手に対しては○○の話し方をしよう。 |
32 | 承認欲求 | 相手が褒められたい・評価されたいことがなにかわかる。 | この相手には○○の事を評価したり、頼ると喜ぶ。 |
33 | 努力・進捗 | 相手が現在目標とし、努力していることがわかる。 | この相手には○○の話題をすると話が盛り上がる。 |
34 | トラウマ・苦手 | 相手が避けたい・話題を避ける内容がなにかわかる。 | この相手は○○の話をすると耳を傾けなくなる。 |
35 | 妥協点 | 相手が妥協できる話の落としどころがわかる。 | この相手には○○をお願いすると妥協してくれる。 |
経営学は応用心理学の1つであり、マネジメントは組織行動論・行動心理学に属します。
行動の裏側に隠されている心理を理解することなしに、ビジネスでの理論・ノウハウだけを学んでも本質は理解することは出来ません。
相手の隠されている意図を読み取るという訓練がマネジメント力向上への近道です。
おすすめ
ビジネススキル・スキルスクール【コミュトレ】では【メンバーシップ・フォロワーシップ ・リレーションシップ ・ディスカッションスキル ・セールススキル・ ・スピーチ・プレゼンスキル ・マネジメントスキル】という7つのスキルを体系的に学ぶ事ができます。
個人でビジネススキルを学べるというスクールはまだ少ないので、キャリアアップを考えている方や転職・起業・独立・フリーランサーになりたいという方にはおすすめです。
8.優秀な人がこだわっている仕事の終わらせ方の特徴

仕事は頭と尻をしっかりと抑える事が大切で、最後の仕上げがとても重要になります。
最後まできっちりとできなければ、事前準備と作業をどれだけ丁寧にやっていても、最大効果を得ることは出来ません。
優秀な人が褒め上手であることが多い理由
人間が一番影響を受けるもの。
それは「褒められた・怒られた・失敗した・上手くいった。」という行動から生まれる感情です。
「次はもっと頑張る」となるのか「次はそこそこで済まそう」のどちらになるかは、今回の行動の評価で決定されます。
人は”論理”ではなく”感情”で動く
例えば、あなたが一生懸命仕事をしたとしましょう。
それが失敗に終わろうが、必ずそこには学びがあります。
- 上手くいかなかったが、この取り組み自体は面白いと感じた。
- 上手くいかなかったが、こんな反応が返ってきたのが新鮮だった。
- 上手くいかなかったが、やっぱり駄目だと納得できたのでよかった。
他にも失敗から得られることは非常に多いです。
失敗は成功の母というように、10の成功より100の失敗をした方が、10年とかの単位で見たとき、成長の速度は速いです。
しかし、9割以上に人は、上記のようにプラス思考・向上心を持って動いているわけではありません。というかほとんどの場合、「頑張ったけどこうだったから」だとか「やっぱり自分の力では」といったように、努力を継続しないで済む理由を探しています。
そうしたマイナスの感情をもたせないために「行動した後のフォロー」が何よりも大切になってきます。
優秀な人が身につけている”褒める技術”
褒める・叱るという技術は相手の感情をコントロールする上で、履修必須科目といえるほど重要なものになります。
褒めるという行動は、失敗・成功に関わらず「これまでもその行動を継続してもらいたい」という時に使います。
今回、前に行っていた○○をしてくれたね。ありがとう。これからも頼むよ。
今回、上手くはいかなかったが、○○をしてくれてたね。結果は後でついてくるから、これからも頑張って欲しい。
○○してくれたこと本当に助かったよ。本当にAさんは、○○で助かっているよ。
本来、褒めるという行動は「上手くいった。成果が出た。」時に使うものではなく、相手の行動を継続させたい時に使うもので、相手にその行動をとってほしくない場合は、「結果が良くても褒めない」という選択が重要です。
次に「叱る」という行動ですが、「相手の行動を修正・禁止したい場合」に以下のように使います。
結果は出ているけど、○○になりかねない。僕としてはその行動は避けて欲しいな。
良かれと思ってしているのは十分分かっているけど、○○さんを守るためにもそれはやめて欲しい。
○○のやり方があっているとAさんは感じていると思う。しかし、こういった意図もあるので協力してくれないかな。
叱る時のポイントは、相手の人格・価値観を否定する人格否定ではなく、行動を否定する部分否定を強調することです。
「自分は相手の人格を好んでいて、職場の上司・先輩として叱っているだけに過ぎない。本来の自分はあなたを応援しているし、求めるサポートをしてあげたいと思っている。」
上記の前提があった上で叱らないと「愛の鞭」ではなく、パワハラになってしまうので注意が必要です。
優秀な人に共通する5つの褒め方
現場でのマネジメントの9割は「人間関係が占めている」といっても過言ではないと思います。
「○○の指示出したいけど、反発するだろうなぁ」だとか「○○の指導をしたらいやな顔するだろうなぁ」とほとんどの場合、正解が分かっていたとしても、それができないことがほとんどです。
社会人なんて正解が見えていても、それを選ぶことができず「誰かが変えてくれるのを待つか、緩やかな滅びを受け入れる」場合がほとんどです。本当に無能な人なんて実際はほぼいません。頭で考えている事を実行できないでいるだけです。
そこで大事なのはカリスマを身に付けることでも、圧倒的な知識・実績を積み上げることでもありません。
ただ相手を褒め、評価し、愛を持って叱るだけです。その例が以下になります。
項目 | 概念例 | 相手の未来の行動を変える5つの褒める技術 | 相手に次の行動 |
---|---|---|---|
36 | 感想 | 自分がどれほど助かったかを伝える。 | 自分の行動は相手のためになったという自信になる。 |
37 | 結果 | 相手の行動で未来がどのように変わったかを伝える。 | 相手が自分は必要とされていると認識する。 |
38 | 学習 | 成功・失敗に関係なく、行動によって得られた事を共有する。 | 次はこうしてみようと改善の意識が働く。 |
39 | 課題 | 今回こういうことを自分が感じ、これに取り組もうよと誘う。 | 相手も同じ課題に取り組もうと動機付けられる。 |
40 | 依頼 | これからもこういうことをお願いしたいですと頼る。 | 次も助けてあげようと強く動機付けられる。 |
基本的に、1回目の行動より、2回目の行動の方が、成果は上がりやすいです。
なぜなら、1回目の行動が次につながるからです。
PDCAサイクルは、何周も回す事が大事なのであり、1回転だけのPDCAならやらないのと変わらないレベルです。
1回やってみる、わかったことがある、修正する、更に気付きを得る。よりブラッシュアップする。1回目より2回目。2回目より3回目。同じ行動をただ繰り返すのではなく、改良することが仕事では重要です。
それを成すのが褒める力です。
詳しくはこちらの記事
以下の記事では、指示・指導・お願いをする力について詳しく解説しています。
たった1日働いただけで、先輩や上司が「この子はいい子だ助けてあげたい」や後輩や同僚が「こいつの指示や指導なら聞きたい。この人についていきたい。」と思ってもらえるために非常に重要なスキルです。
まとめ:優秀な人になるための方法とその手順

ここまでで優秀な人の40の特徴についてご紹介してきました。
「人がこの人は優秀だ。・有能だ。」と評価するのは様々な軸があって、どのようなシーンであるかによって求められる能力・行動は変化することをご理解いただけたのではないでしょうか?
優秀な人・有能な人になるためには
この記事でご紹介した40の特徴はあらゆるシーン・あらゆるキャリアで活躍するための特徴まとめであり、全ての能力を習得する必要はありません。
大事なのは「今の自分にはどのような課題があって、それを解決するための能力はどのようなもので、その能力を身に付けるためのトレーニング」を知ることです。
しつこいようですが、全ての知識・技能・経験は、必要とされるから習得すべきものであって、不必要な知識や技能を一生懸命学んでも成果にはつながりません。
最短・最小経路で優秀な人になる方法
最短で今必要とされる考え方を身に付け、必要とされるスキルを習得するには、以下の手順でトレーニングプランを立てる事が必要になります。
- 自分がこれから取り組むべき解決課題は何であるかを特定する。
- その課題を解決するための能力・考え方は何であるかを知る。
- その考え方・能力を身に付けるためのトレーニング方法を学ぶ。
- トレーニングを実行し、振り返り、改良・改善を進める。
口で言うのは簡単ですが、実際には以下の問題が出てきます。
- ふわっとした目標は立てられるが、具体的にどうしたいかのビジョンがない。
- 一言でこれが課題だと決めることが難しい。
- ビジネスの知識がなく、どういった解決法があるかを知らない。
このようにこれまでの経験・知識の差によって、選べる選択肢が違ってしまうのが、優秀な人とそうでない人の差を生む原因になっています。
しかし、知識・経験の差が効率的な努力を阻害する要因であるのなら、そこを埋めてしまえばいいだけの話です。
優秀な人の思考が身に付くエクセルシートでは、以下の内容となっています。
- 全80種類の課題テキストから自分の状況に合った課題を選ぶ。
- 選択した課題の解決方法を80テキストの中から選ぶ。
- 解決取り組みの進捗把握をサンプルテキストを参考にモニタリングする。
- サンプルテキストを参考に、今回の行動を次回の行動に活かす。
このエクセルテンプレートでは、自分で課題を記入するということは一切なく、全て用意されたテキストから選択するという形式になっています。
ガイドに従って進めれば、どのようなことに取り組むべきなのかが見つけられるようになっているので、是非ご活用ください。
まとめ
何を持って優秀な人かどうかは、状況が変われば当然変化します。優秀な人かどうかは自分ではなく、相手が評価するものであるからです。
自分は仕事が早い・技能が優れていると思っていても、それは1人の作業員としての凄さであって、上司や先輩には「仕事が早いだけの使いにくい奴」と思われているかもしれません。1人で出来ることはたかが知れています。
ビジネスでは、会社や職場の売上向上やコスト削減に貢献できるかどうかが優秀さ・有能さを測る軸になります。
そのためいくら知識や技能が合っても、職場の風紀を乱したり、周りのメンバーのモチベーションを下げる人はいらないのです。
逆に知識や技能はそれほどでも、周囲を上手くまとめ、仕事の出来る部下や後輩を活かし、職場の売上を大きく変えたり、大きなプロジェクトのマネジメント経験のある人は、転職市場で引く手数多なのはそのためです。
自分が頑張って能力を磨くより、上司や先輩、同僚、後輩と上手く連携するスキルを磨いた方が手っ取り早く成果がでます。
ビジネスマンとして求められるスキルとは一体何であるのか?
それを考えるきっかけにつながれば幸いです。